こずめぐの新年会【SS】
梢「慈、明けましておめでとう。今年も宜しくね。」
慈「ことよろ~~」
冬休み中の部室。
クラブの他のメンバーはまだ帰省中のため、部室には私とその友人―乙宗梢だけだ。
ちなみに私も正月3が日までは帰省していたものの、どうにもやることがなくて早々に学校に戻ってきた。まあ、早くスクールアイドル活動がしたかったから、ということもあるけど。
梢「一応、帰省はしたわよ。ただ、なんとなく練習していないと落ち着かなくてね。長く帰省していても特にやることもないし」
梢も私と同じように感じて学校に戻ってきたらしい。
私たちって似た者同士だったりして。梢には絶対に言わないけど。
慈「そっかそっか、そんなにめぐちゃんに会えなくて寂しかったか~☆」メグメグ
梢「そ、そんなわけないでしょう。あくまで部長としてクラブが気になって仕方がなかっただけよ」
必死に否定する梢。
うん。その反応がとても可愛くて揶揄い甲斐がある。
これも本人には絶対に言わないけどっ☆
逆に聞かれた。
慈「私?う~ん。私も梢と同じかなっ☆」
梢「そう。」
ずいぶんとあっさりした返事だな、おい。
慈「ちょっとぉ。自分から聞いておいてそうって何だよぉ」メグメグ
梢「ちょっと。新年早々そんなにくっつかないでちょうだい」
慈「新年じゃなかったらいいのか~?」
梢「そういうことではないのだけれども」
梢を揶揄うのは実に楽しい。
梢「全く...あなたといると調子が狂うわね。」
慈「いやぁ~それほどでも」
梢「全く褒めてないのだけれども」
口ではそんなことを言いつつも満更でもないって顔しているの、めぐちゃんしっかり見てるぞ~
梢「それは私のセリフなのだけれども」
そしてしばしの沈黙。
こずめぐ「「ふふっ」」
どちらからともなく笑ってしまった。
慈「この時間、なんだかいいね。」
つい素直に本音を呟く。
梢「ええ。そうね。」
梢も珍しく?素直に本音を呟く。
梢もそういう風に思ってくれていたんだ。良かった。
慈「さんせー!お願い」
梢「ふふっ。では、ちょっと待っててちょうだい」
慈「はーい」
~5分後~
梢「お待たせ」
慈「いい香りだね」
梢「ふふっ。そう言ってもらえると嬉しいわね。はい、どうぞ」
梢の淹れた紅茶を飲む。
いつもながら美味しい。私は紅茶に詳しくないけど、梢の淹れた紅茶は美味しいことだけは
間違いなく断言できる。というか保証する。
慈「やっぱり、紅茶は梢のに限りますな~」
梢「私よりも紅茶に詳しい人は世の中に沢山いるわよ」
なんて素直じゃないやつ。
慈「もうっ。そういうことじゃなくって。てかせっかくこのめぐちゃんが褒めてあげてるんだから素直に受け取っとけ~」メグメグ
申し訳ありませんがそろそろ寝ますので続きは昼間更新いたします。
慈「梢、素直になりなって~。めぐちゃんに褒められて嬉しいんでしょ~」ボソボソ
梢「ひゃっ。耳元で囁かないでっ//」
慈「や~めないっ☆」ボソボソボソボソ ミミフーッ
梢「ひゃっっ」
少しやり過ぎた気がしたけど、ま、いっか☆
梢「...」
慈「あれれ、梢さ~ん」フリフリ
梢「...」
慈「おーい」
梢「...」
慈「」
慈「ごめんって。ちょっとやり過ぎたよぉ。謝るから機嫌直してよ」
梢「ふぅ。全く。やれやれだわ。」
梢(でも、ちょっと気持ちよかったわね//って私は何を思っているのかしら・・・)
梢「し、してないわよっ」プイッ
梢って、分かりやすいというか何というか。
でもまあ、これ以上は可哀想だからやめておこう。
梢「でも、まあ。ありがとね」
慈「おぉ。梢が素直になった」パチパチ
梢「何なの、もうっ」
慈「楽しかったね。新年会っ」
梢「新年会、なのかしら?」
慈「新年会でしょ」
梢「まあ、そういうことにしておきましょう。」
慈「あっ、そうだ☆」
梢「何かしら?」
慈「ちょっとぉ。そんなに警戒しないでよ」
梢「あなたが何を企んでいるのか分からないから怖いのよ」
慈「企んでいるって。人聞き悪いこと言わないでよっ。せっかくだから、写真、撮ろ?」
梢「そういうのは慈一人でいいのではないかしら」
慈「ほーらっ。こっちおいでっ☆」
恥ずかしがって渋る梢を無視して無理矢理自分の方に引っ張る。
梢「ちょっとっ//」
慈「ほら、可愛くとれたよっ☆」
梢「私はいいわよ」
慈「いいからっ」
照れて顔を逸らす梢に無理やり写真を見せる。
梢「相変わらず慈は可愛いわね」ボソッ
慈「あったり前じゃん☆って、そうじゃなくって。いや、そうなんだけど!」
梢「何を言っているのかしら」
慈「いやいや。梢だって可愛いんだからねっ」
慈「そうだ!せっかくだし、この写真、SNSにupしようかな」
梢「それはやめてほしいのだけれど」
慈「大丈夫だって!こんなにきゃわわな私たちを誰かに見てもらえないのは勿体ないよ」
梢「もうっ。仕方ないわね」
梢から許可が下りた。やった。
というわけで遠慮なく自分のSNSアカウントにupする。
うむ。完璧。
慈「大丈夫大丈夫!あ、もうこんなに反応来てるよほらっ」
そう言ってSNSの画面を梢に見せる。
梢「そうね。みんな、新年早々見てくれているのね」
慈「当たり前でしょう。スクールアイドルたる者、常に見られていることを意識しなきゃだぞっ☆」
梢「それは、あなたの言うとおりね」
慈「でしょでしょ~。もっと褒めてくれたっていいんだぞ~」
梢「まあ、これくらいにしとくわね。」
慈「え~」
梢「そろそろ、お開きにしましょうか」
慈「うん。あ~楽しかった。」
梢「ええ。私もよ。冬休みが明けたらクラブで新年会をやろうと思っていたのだけれども」
慈「みんなとは一足早い新年会だね」
梢「えぇ。こういうのもいいわね」
梢は嬉しそうに頬を緩めた。
なんだかんだ言いながら私と二人でいるこの時間が梢も好きなのは、めぐちゃんちゃんと知ってるんだぞ~。
梢「あらためて、今日はありがとね。慈。私一人だったらこんな楽しい一日にはならなかったかもしれないわ」
慈「ん。いいっていいって。私も楽しかったし。新年早々梢の紅茶も飲めたしねっ!」ニコッ
楽しい時間もお終いに近づいている。
そう思うとちょっと寂しくなってくる。
梢「慈?」
急に黙った私を見て、怪訝そうに見てくる梢。
時刻は午後3時を少し回ったくらいだった。
ずいぶんと長い時間おしゃべりをしていたような気がしたが、まだ空は明るい。
慈「ねえ梢?」
梢「何かしら?」
慈「このあと、空いてる?」
梢「空いているけれど。」
慈「じゃあさ、ちょっと町の方に遊びに行こうよ」
慈「そ。今から。今冬休み中だし、外出許可とかいらないからさ。パーっと遊びに行こうよ」
梢「まあ、いいわ。他にやることもないし、今日はとことんあなたに付き合ってあげるわ」
慈「やったー。そうと決まれば、ほら早く行くよ」ギュッ
そう言って梢の腕を取る。
梢「ちょっと、慈」
そう言う梢を無視して引っ張る。
1年生の時はすれ違ってしまったけれど。
スクールアイドルクラブ復帰までに空白の期間が出来てしまったけれど。
でも今こうして梢のそばにいることが出来ている。
空白期間にやりたかったこと、これからたっぷりとやってあげるんだから、覚悟しておいてよね
梢、今年もよろしくね☆
おしまい
今年もSSを少しでも多く投稿していければいいなと思います。
今年もよろしくお願いします
>>32
ありがとうございます。
励みになります
引用元:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/11177/1704385059/
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