ダイヤ「いちごって粒々が本体らしいですわ」ルビィ「!?」【SS】
ダイヤ「……」
こちらは、堅パンより頭の堅い姉。
ルビィ「~っ」
こちらは、メガネ猿より臆病な妹。
父「サ”ヴァ”イバルしよ?」ビャッ
ルビィ「汚ねんだよ、ツバ虫」
ダイヤ「ルビィ……?」
父「お、お父さんだよ?」
ルビィ「……」
ルビィ「うゆ♪」
サヴァイバル知識など全くない、この哀れな鉱物姉妹を、野山のど真ん中へと置き去りにしてしまったのです。
ダイヤ「っ」
ルビィ「ヒ…ヒィ……ッ」
ダイヤ「ルビィ!!」ゴンッ
ルビィ「ぴぎゃ!?」ガンッ
堅パンの硬度で知られた、しっかり者の長女がここに来て奮起。
パニックに陥った妹へ、頭突きと共にこう言い放ったのです。
ルビィ「ぃ、いぇ~ぃ……☆5%>|〆」ピヨピヨ
コレが、正しい判断だったのかはさておき、堅パン長女の決断で、先ずは家を作ることと相成った鉱物姉妹。
ルビィ「る、ルビィはねぇ……」
ルビィ「お花のお家」
ダイヤ「お鼻のお家!?」
ダイヤ「な、なんですかそれは!?鼻○ずで接着するんですか!?」
ルビィ「汚ねんだよハナ虫」
ダイヤ「!!?」
ダイヤ「さぁ、花を積み上げて行きますわよ!」
ルビィ「うゆ!」
二人の頑張りは、メルヘンな家を完成させる為の時間を、そう必要とはしませんでした。
ダイヤ「出来ましたわ!」
ルビィ「わーい!」
ルビィ「……っ!?」
ブ-ン ブ-ン
ダイヤ「……」
ルビィ「……」
飛び交う蜂たちにとっての、最高の餌場ともなってしまったのです。
ルビィ「……」
ルビィ「……お姉ちゃんのせいだ」
ダイヤ「!?」
こと、責任転嫁に於いて右に出る者なし。と関係各所に言わしめる、この紅玉。
ダイヤ「そ、そんなっ……だって貴方が!」
⌒°( ・ω・)°⌒「”だって貴方が”?」
|c||´.-`|| 「うぅ……」
失態の全てを、頭の硬い姉へと擦りつけようとする鬼妹(オニまい)が、更なる追い討ちをかけんと、怯えた金剛石へ詰め寄ります。
ルビィ「そんな星たちの中で、私と言うたった一つの存在と出逢えた、この奇跡……」
ダイヤ「~っ」
⌒°( ・ω・)°⌒「”ありがとう”は?」
|c||´.-`|| 「!!?」
ダイヤ「ッ」
ルビィ「ほらほら」
ダイヤ「~っ」
ルビィ「さん、はい」
ダイヤ「ッッッ」
ダイヤ「…………ぁ……ぁりが……っ」
⌒°( ・ω・)°⌒「!」
『迎えに来ました』
ダイヤ「お母様!!?」
ルビィ「……」
『おやおや、事のほか逞しく過ごしていらしたのですね』
己が尊厳を蝕もうと詰め寄る、鬼畜紅玉。
その魔の手を遮らんと、カサートカのハッチから飛び降りたのは、鉱物姉妹の母でした。
ズシャッ
母「無論、知っている存在から聞き出しただけです」
ダイヤ「~っ」
ダイヤ「……あっあの、この事について、お父さまはなんと?」
母「くっくっ」
母「それは、本人に聞いてみたらどうです?」スッ
父「……」ボロボロ
ダイヤ「お、お父さま!!?!?」
ダイヤ「なっ、なんで……!?」
数十人から袋叩きにされた様な、ズタボロの出立ちで現れた、この鉱物姉妹の父。
しかしながら──、
~ルビィの回想~
父『母さんのプリン食べまくってんの、未だにバレてないの凄くないww?凄いよねwww?』
ルビィ『ウジ虫』
こうなった原因も自業自得だと言うのだから、神も仏も素知らぬ顔です。
───
ルビィ「……」
ダイヤ「なぜっ、その様なボロボロのお姿に……?」
父「~っ」ヨロッ
母「このゴミ屑虫は、大罪を犯しました」
母「よって、相応の罰をこれから与えます」
ダイヤ「ッッッ」
父「~ッ」
ダイヤ「あっあの、お母さま?」
母「なにも聞きません。早くお乗りなさい」
父「ッッッ」
ルビィ「……」
ルビィ「ルビィが食べた」
普段、ウジ虫扱いしている父を庇った次女。
彼女に、どの様な意図があったのかは分かりませんが、
ダイヤ「!?」
母「……いま、なんと?」
ルビィ「ルビィが食べたって」
ルビィ「そう、言った」
父「ルビィ……」
ダイヤ「あ、貴方……」
ルビィ「ごめんなさい」
母「……」
悋気の火の玉と化した母の怒りを鎮めるに、充分な働きをした事だけは確かです。
母「娘に庇われる父親が、一体どこの世界にいますか。情けない」
父「うゅ……」
ルビィ「……」
母「まったく」
母「もういいです、はやく帰りましょう」
ルビィ「!」
ダイヤ「お母さま!」
ルビィ「お母しゃん……」
父「ありがとうございます!」
母「まぁ、罰はありますが」
父「!?」
イギリス産のクマに感化され、思いつきで始まった、このプチサヴァイバルは、
波乱の時を過ごしながらも、こうして幕を閉じる事が出来ました。
『やっと着きましたね』
母「二人とも、ド○セで買った美味しいショートケーキでも如何ですか?」
ダイヤ「まぁ♪」
ルビィ「うゆゆ♪」
母「さぁさぁ、お座りなさい」
ダイヤ「これは、とても美味しそうですわ」
ルビィ「ケーキ久しぶり~♪」
父「っ……っっ」ハァハァ
父「やっ……山を飛び、谷を越え、先ほど家に着きました……っ」
ルビィ「がんばルビィ!」
ダイヤ「ほら、お父さまの分もありますわよ?」
父「う”んっ」
母「さて、それでは頂きましょう」
ダイヤ「~♪」
ルビィ「おいひぃ~♪」
ダイヤ「ルビィ。いちごって、この粒々が本体らしいですわよ」
ルビィ「!?」
父「……そう言えばさ」
ダイヤ「はい?」
父「人生初サヴァイバルだったけど、二人とも感想プリーズw」ビャッ
父「カブトムシ食ったww?ねぇねぇwww」
ダイヤ「……ゴミ屑虫」
父「!?」
母「拷問の時間です」
父「!!?!?」
ルビィ「……」グリグリッ
ルビィ「……コレが、本体?」
【おわり】
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1710298765/
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