かすみ「しず子~!いちごミルクとバナナミルク、どっちがいい?」【短編SS】
かすみ「え~~?とぼけないでよしず子~~」
しずく「とぼけてはないけど……」
かすみ「……はぁ~(クソデカため息)」
しずく「さっきから何なのさ……わざとらしいよ」
かすみ「しず子さぁ~、今日は何月何日か知ってる?」
しずく「……今日は4月3日だけど」
かすみ「ぴんぽんぴんぽ~ん!」
しずく「本当にどうしちゃったのかすみさん……」
しずく「……うーん、何かあったっけ?」
かすみ「あれ~しず子、分からないんですか~?」
しずく「あっ!分かった!」
かすみ「お!では、どうぞ!」
しずく「4月3日の今日は、いんげん豆の日だね!」
かすみ「ぴんぽんぴんぽ~……いんげん豆!?」
しずく「知らないのかすみさん?今日はね、いんげん豆を日本にもたらした隠元さんが亡くなった日なんだよ」
かすみ「いや知らないよそんなの!」
しずく「豆知識だよ。豆だけに」
かすみ「うるさいわ!」
かすみ「全然ちがうよ!むしろ逆だよ!」
しずく「逆?」
かすみ「インゲンさんが亡くなった日っていうなら、その逆ってこと!」
しずく「インゲンさんが生まれた日ってこと?」
かすみ「じゃーなーくーてー!インゲンさんじゃなくてー!」
かすみ「どっかの誰かさんが!生まれた日ってこと!」
しずく「……」
かすみ「しず子が生まれた日ってこと!」
しずく「……ふふっ、ごめんごめん」
しずく「つい、とぼけたくなっちゃって」
かすみ「もー!」
かすみ「当たり前じゃん。それに覚えやすいし」
しずく「そうかな?」
かすみ「だってほら、4月の4で「し」でしょ?」
しずく「うん」
かすみ「で、3日の3だから「ず」になる」
しずく「うん……ん?」
かすみ「ほら!覚えやすいじゃん!」
しずく「え、いや、うん?」
しずく「3ってそんな「ず」要素あるかな……?」
かすみ「大体さ、3ってスリーでしょ?」
しずく「スじゃん」
かすみ「いやいや、スリーってめっちゃ早く言ったらズに聞こえるから」
しずく「……まあスリーのリはRで巻き舌になるからその理屈も分からなくはないけど」
かすみ「ほら!ズじゃん!3はズ要素ある!」
しずく「……」
かすみ「……なに、その目」
しずく「やっぱその理屈よく分かんないなって」
かすみ「梯子を外された!」
しずく「いいくに作ろう鎌倉幕府とか語感の良さで何とか保ってるところあるから」
かすみ「いやそれ鎌倉市民が言っちゃダメでしょ」
しずく「しかも今変わって、もう良い国作るのやめたからね」
かすみ「今なんなの?」
しずく「良い箱つくろう鎌倉幕府」
かすみ「箱……」
しずく「鎌倉市民もびっくりだよ」
かすみ「今日の主役はしず子だから!」
しずく「主役だなんて……大袈裟だなぁ、かすみさんは」
かすみ「何言ってるのさ!」
かすみ「一年に一回しかない、その人だけの特別な日じゃんか!」
しずく「……まあ、そうだけど」
かすみ「じゃあさっそく~!かすみんからのプレゼント!」
スッ
しずく「……えっ、これって……」
🍓🥛 🍌🥛
かすみ「改めて、しず子おめ!」
かすみ「いちごミルクとバナナミルク、どっちがいい?」
しずく「明らかに加工前だけど……」
かすみ「いや注釈加えたじゃん!暖かい眼で見て!」
かすみ「ほらほら!好きな方どっちか選んでよ!」
しずく「うーん……じゃあ……」
スッ
🍓🥛
しずく「いちごミルク、かな」
しずく「あ、ありがとう……」
かすみ「じゃあかすみんは~、こっちのバナナミルク飲もお~っと!」
しずく「……」
🍓🥛
しずく「かすみさん、これ、どこで買ってきたの?」
かすみ「へ?どこって…ただのスーパーだけど」
しずく「ほんと?璃奈えもん絡んでない?」
かすみ「絡んでないよ……くれぐれも悪用してないし初手にりな子を実験台にしてもないよ」
しずく「ならよかった」
🍓🥛
しずく(見た感じは普通だけど……)
しずく「ん……」ゴクッ
かすみ「どう?」
しずく「……いちごミルクだね、普通の」
かすみ「でしょー?普通のいちごミルクだもん」
しずく「効き目が後から来るとかじゃないよね?」
かすみ「だから、そーゆーのじゃないって」
しずく「……」
かすみ「口に合わなかった?」
しずく「うんうん、美味しかったよ」
かすみ「よかった」
かすみ「かすみんもバナナミルク飲もーっと」んくんく
しずく「……」
かすみ「へ?そうだけど?」
しずく「そっか……」
しずく(……だめだめ。ガッカリしちゃだめ)
しずく(こうやって祝ってもらえるだけで全然いいじゃない)
しずく(高望みは禁物。いちごミルクで十分)
しずく(……それがたとえ、かすみさんだとしても━━━)
しずく「……」
かすみ「しず子?」
しずく「あ、うんうん、なんでもないよっ」アセアセ
かすみ「もしかして~……」
しずく(……悟られちゃったかな)
かすみ「バナナミルクの方が良かったんでしょ!」
しずく「」ガクッ
かすみ「も~、初めから言ってくれれば良いのに~」
かすみ「かすみんが飲み干したちゃいましたよ~」
しずく「そ、そうだね。あははは……」
しずく(……もう、鈍いんだから)
かすみ「でも、どーしても飲みたいんだったら、かすみんの一口あげるよ!」
しずく「もう飲んじゃったんでしょ?何言って━━━
しずく「━━━へ?」
かすみ「誕生日おめでと、しず子」
かすみ「どう?バナナミルクのお味は?」
しずく「……」
ちゃんとしたよ、バナナミルク味。
かすみさんは、いちごミルク味がしたのかな。
でもね。
しずく「……うーん、よく分かんなかったかな」
かすみ「えー」
しずく「だから……もうちょっとほしいな」
かすみ「……もー、欲しがりさんなんだから」
さりげなく。なにげなく。
ついばむように。啜るように。
送りあって。贈りあって。
その甘美を、いつまでも感じていたい。
一口と。二口と。
おわり
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1617459578/
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