すみれ「なんで私がウィーン音楽学校に!?」
すみれ妹「お姉ちゃん、なんか国際郵便届いてるよー!」
すみれ「え、国際郵便!?まさか、世界からスカウト!?ついに世界デビューかしら…?え、ほんとに国際郵便だ。オーストリア?」
…………
すみれ「ちょ、この翻訳アプリ間違ってないでしょうね……」
ウィーン音楽学校はあなたを特待生として招待します。
すみれ「う……うそでしょ!?」
ギャラクシーーーーーーーー!!!!
すみれ「ど、どうしよう…嬉しいけど急にこんなこと言われると……学校もあるしLiella!もあるし……そもそもお金の問題とか……つ、続きは……」
●ウィーン音楽学校のここがすごい!今なら海外渡航費、学費、住居費用、食費すべて無料!ここにしかない未来が、君を待っている!ウィーン魂!
すみれ「……なんか急にうさんくさくなったわね…。……まずはお母さんに相談ったら相談ね。」
……………………
すみれ「めちゃめちゃあっさり了承されたわ。…え?普通娘が一人で海外生活とかちょっと止めたりするもんじゃないの…?」
すみれ妹「えー、お姉ちゃんいいなー。私も海外行きたーい!」
すみれ「いや、遊びに行くんじゃないのよ!…ほんとにどうしよう。これから歌でショービジネスの世界に戻るなら、ありえないほどチャンスよね。…でも、これからラブライブ決勝もあるし…。明日相談しようかしら。」
ウィーン平成大学草
かのん「すごいよすみれちゃん!こんな機会今後ないんだから、絶対に行くべきだよ!」
恋「すごいです!すみれさんの頑張りが、世界に認められたのですね。」
メイ「ウィーンってどこにあるんだ?」
四季「オーストリア。ヨーロッパの中央。」
きな子「オーストリアって寒いんすかねぇ。」
夏美「海外での撮影はたくさんマニーがかかるのに、無料で行けるなんて羨ましいですの。」
千砂都「おめでとう、すみれちゃん!すみれちゃんがいつでも帰って来られるように、Liella!をもっと強くして待ってるね!」
すみれ(もっと家まで押しかけて引き止めたり、Liella!解散とかって話になったりするのかと思ってた……なんて言えない……)
千砂都「よし、みんなで笑顔で送り出すためにも、まずはラブライブ優勝だね!もっと練習厳しくするよー!」
みんな「えぇーーーー!?」
すみれ「どうしたのよ、可可。あんたは私がいなくなってやりやすいでしょ?」
可可「……もちろんデス。いなくなってくれてセイセイしマス。」
すみれ「……そりゃどーも。そうと決まれば、今から準備しなきゃね。」
可可「…………ずっとスクールアイドル一緒にやってくれるのではなかったのデスか。」(ボソッ
すみれ「あ、四季、そういえば話が……」
本当はスクールアイドルを続けたい。大好きなあの子のためにも。
けど、その後のことを考えてしまうのだ。このまま高校を卒業して、ショービジネスの世界に戻れる可能性はほとんどないだろう。
そうなれば、私は何も持たざる者。武器も持たずに戦場に立つ兵士。
あの子を迎えに行くためには、武器を手に入れなければならない。誰にもない、私だけの……。
すみれ「風が吹いて、ラブライブは優勝したわ。」
すみれ妹「ほんとに行っちゃうの…?」
すみれ「ええ、ほんとったらほんとよ。けど大丈夫。1年くらいで帰ってくるから。」
すみれ妹「ぐすぐす」
すみれ母「気をつけてね。お部屋の片付けとか休みの日行くから、いつでも言ってね。」
すみれ「いや、そんな大学生の下宿みたいなノリで来れる距離じゃないから…。大学生活したことないけど…。」
桶屋が儲かるみたいなノリで優勝するな
恋「面白そうなゲームがあったらおしえてくださいね。」
千砂都「練習大変だと思うけど、すみれちゃんなら大丈夫!」
メイ「ああ、推しが一人で旅立ってしまう…」
四季「……あれを、忘れないように。」
夏美「すみれ先輩、今から頭にカメラつけて良いですの?」
きな子「…最後に背中に座ってもらってもいーすか?」
可可「……気をつけるデス。」
すみれ(みんな、ありがとう。)
すみれ「ということで、行ってくるわ!ギャラクシー!」
ゔぉーーーーーん ⊂/cリs˘ヮ˚)s⊃
可可「…………………………」
アナウンス「────────」
すみれ「やば、あれ飲まなきゃ。」
…………………
四季『……できた。あらゆるインプットを日本語に、アウトプットを英語に置換する薬。』
すみれ『あんたほんとなんなのよ。どうなってるの。』
四季『原理は簡単。脳にある2つの言語野、ウェルニッケ野とブローカ野の間のニューロンを一時的に変性させ…』
すみれ『あー、聞いといて申し訳ないんだけど聞いてもわかんないからいいわ。どういう効果なの?』
すみれ『ありがとう。これがないとみんなが困るのよね。本当に助かるわ。というか英語なのね。ドイツ語じゃなくていいのかしら。』
四季『みんなが誰かはわからないけど、どういたしまして。たくさんの国から集まる学校なら、英語でゴリ押せばいける。……それで、約束は。』
すみれ『もちろん守るわ。メイに毎日それとなく四季のいいところを刷り込んであげる。』
四季『//////』
くっそ便利な薬
アナウンス「ウィーン音楽学校への電車はあっちです。」
すみれ「おお、聞こえる。すごいわねこれ。あっちにあるのね。さあ、乗り込むわよ。」
……数時間後
すみれ「ここがウィーン音楽学校。歴史ある建物ね。」
すみれ(私の人生をかけた戦いがこれからはじまるのね。)
すみれ「行くわよ!ギャラクシー!!!!」
すみれ「……は?手違い?」
校長(CV:朴璐美)「えぇ。私達が特待生として招待したつもりだったのはカノン・シブヤ。まさか担当者があなたと完全に間違えていたなんてね。今まで気づかなかったのは本当にごめんなさい。」
すみれ「…………」
すみれ(え?なに?ドッキリ?たしかにここに来るまですごくスムーズだなとは思ったけど!というか)
校長「申し訳ないけれど、この話はなかったことに……」
すみれ(私あんなに大見得切って出発したのに…!恥ずかしくて死にそう……!!……でも。私も覚悟を決めて来た。ここで終わるわけにはいかない!恥ずかしいし!)
すみれ「……私は夢を掴むために来ました。」
理事長じゃねーか
すみれ「誰かのために力になれるようになる。そんな私の夢。」
校長「……」
すみれ「それを!私はここで叶えたいの!今はまだ日本にいる、私の友達のために、帰るわけにはいかないの!!」
校長「……わかりました。元はと言えばこちらの不手際です。あなたもここに来てしまいました。まずは入学を許可しましょう。」
すみれ「…ありがとうございます!」
すみれ(え、ほんと?意外とやってみるものね。自分でも何言ってるかわかんなかったのに。小さい頃から演技力鍛えておいてよかったわ。)
すみれ「な、なによそれ。」
校長「この学校は規定により1年以内の在学は在学と認められません。つまり、あなたははじめからここにいなかったことになります。」
すみれ「…この学年で1番に選ばれなければならない、ということですね。わかりました。やるったらやります。」
校長「せいぜいがんばってください。あなたはサイヤ人がひしめく星に飛ばされたヤムチャ。ここで生き残るのは容易ではありません。」
すみれ「校長先生、ヨーロッパの方ですよね?」
校長「それと…今回の件は私とあなたとの間の個別の契約です。手違いの件、決して他言しないように。発覚すれば、あなたもここにはいられないでしょう。」
すみれ「ゴクリ」
校長「まずは寮に向かってください。授業がすぐに始まるので、荷物を置いたら教室に移動してください。」
モブ「あ、あなたが転校生?こっちこっち~。」
すみれ「?あなたは?」
モブ「私も同室なんだよ~。寮は3人1部屋。生活も、授業の課題も、試験を受けるのも3人なんだよ~。」
すみれ「そ、そういう仕組みなのね…。ありがとう。」
モブ「もうすぐ授業始まっちゃうから、とりあえず荷物置いて、早く教室行こ~。」
すみれ「」
モブ「だいじょ~ぶ?」
すみれ(なんなのよ…初日から休憩30分、それ以外ぶっ通しで発声練習、体幹、発声練習、体幹…)
モブ「今日は新学期初日だし、だいぶ楽だったね~。」
すみれ「」
すみれ(これで楽なんかい。)
千砂都『ほら、すみれちゃんまだいけるよ!本場の練習はこんなもんじゃないよ!』
すみれ(……マジだったわ。)
モブ「まあ明日はほとんど個別の課題だから、体力は使わないよ~。安心して~。」
すみれ「…誰?」
????「知らなくていいわ。どうせすぐにいなくなる人に自己紹介するほど無駄なことはないもの。」
すみれ(…なんか嫌なやつ)
嫌なやつ「ここは私みたいに才能がある存在が、次のステージに行くための場所。あなたのような凡人が涙ぐましい努力をして何かなせる所ではないわ。」
すみれ「へぇ、それは素晴らしい忠告をありがとう。」
嫌なやつ「わかったらさっさと無駄な努力をしにいきなさい。どうせ、練習しない私にも及ばないんでしょうけど。」
嫌なやつ「なっ…!」
すみれ「そんなに夜更かしすると、美容に悪いわ。よく眠れるマッサージも教えてあげましょうか。」
嫌なやつ「…!いらないわ…!試験で足だけは引っ張らないように気をつけなさいよね!」
モブ「あの子も同室の子だよ~。私もあまり仲良くしてもらえないんだ~。」
すみれ「なかなかキツい性格だったわね。」
モブ「でも、あなたも言い負けてなかったよ~。本当にかっこよかった。」
すみれ(ショービジネスゆずりの口喧嘩術は使えそうね。)
モブ「いつも遅くまで練習してるみたいなんだけどね~。ぜんぜん態度には出さないんだよ~。」
すみれ「え?モブ・スパイ?」
モブ「ショパンだよ~。そんな序盤のザコ敵みたいな名前にしないで~。」
すみれ「ああ、そう。というかモブさんなのね。助かったわ。」
モブ「何が助かったのかわからないけど~。あなたは~?」
すみれ「私は平安名すみれ。よろしくね。」
モブ「よろしく~。」
やはりラブライブの世界のモブは神
虐めなんてない
モブ「とりあえず、明日の課題曲歌ってみよ~。といっても4小節だけだから多分大丈夫だと思うけど~。」
すみれ「良かった英語の歌詞なのね…。ドイツ語だったらもう終了だったわ。…あの子はいいの?」
モブ「多分自分で練習してるから大丈夫だよ~。ただ、気をつけたほうがいいかもね。」
すみれ「…え?」
モブ「あの子、前同室だった学生を責め続けて、いられなくさせちゃったからね~。キツかったら頼ってね~。」
すみれ「…多分大丈夫よ。私メンタルだけは強いから。」
すモ嫌「──────♪」
偉い人2「はい、全員おつかれさまでした。各自の講評にうつります。」
偉い人1「あなたはとても繊細で美しい声をお持ちですね。とても良いことなのですが、他の人と合わさると歌い負けしてしまいます。その弱点への答えを探してみてください。」
モブ「ありがとうございます~。」
偉い人2「あなたはパワフルでよく通る声をお持ちですね。ソロでの歌唱はとても素晴らしかったです。ただし、ハーモニーには少しノイズになりかねません。そこを課題としてみてください。」
嫌なやつ「…………ふん。」
偉い人1「そしてあなた…。」
すみれ「ゴクッ」
すみれ(えぇーーえ。みんなめっちゃ褒められてるからちょっと期待しちゃったのに。私だけの超ボロクソじゃん。可可の悪態がかわいいくらい正論でボロクソ言われてるんだけど。)
偉い人2「やる気がなければ、別の道を探すというのも手ですよ。今ならまだ引き返せますから。」
すみれ(…ちょっとそうしようかなって思うくらい心を抉られてるんだけど。いや!ここで弱みを見せちゃだめ。やるのよ!平安名すみれ!)
すみれ「…まぁ、日本との空気の違いがまだ馴染んでいないのかしら。見てなさい!本気を出した私はこんなものじゃないわ!」
すモ嫌「……失礼します。」
ガラッ カチャン
偉い人1「……たしかにとても平凡だった。ただ基礎はしっかりできていたな。」
偉い人2「ああ、声の震えはまったくない。強弱もはっきりしていたし、音程もしっかり取れていた。」
偉い人1「……本気を出せば、か。」
すみれ(……………)
すみれ(あんなこと言ったけど、心が折れそう……)
すみれ(やばい、泣きそう。辛すぎる。私の努力は。今までの積み上げてきたものは。)
すみれ(一番にならなきゃ……一番に……)
すみれ「声が、聞きたい……」
唐可可 📞
すみれ「……」
ポチッ プルルル…プルルル…
ガチャ
すみれ「……もしもし」
すみれ「ごめんなさい、こんな急に電話して。」
恋「いえ、大丈夫ですよ。短期間で英語がすごく上達していますね!」
すみれ「いえ、むしろ今英語しか喋れないのよ…。申し訳ないけど、翻訳しながら聞いてくれるかしら。」
恋「きれいに聞き取れますから大丈夫です!どうしてこんな朝早くに…いえ、そちらは深夜なのですね。……何か、あったのですか?」
すみれ「………」
びっくりした
恋「なるほど、そもそもの入学が手違い。在籍の条件は同室者と一緒に試験を受けて学年リーダーに。…かなり厳しい条件ですね。」
すみれ「…そうなの。それに私の歌……。」
恋「……すみれさん?」
すみれ「……グスッ私の歌……大したことないって……一番にならなきゃいけないのに……」
恋「………ふふっ」
すみれ「………ちょっと、なにがおかしいのよ。こっちは泣いてんのよ!」
すみれ「弱気になってるってこと?」
恋「そうですね。本気になったすみれさんはもっと私を見なさい!という雰囲気で、とても強気の歌だったと思います。今はなんというか…周りを気にして歌っているように感じます。」
すみれ「……そうかもね。」
恋「けれど、そこもすみれさんのいいところなのですよ?」
すみれ「…え?」
というかこういうときに可可じゃなくて恋ちゃんに掛けちゃうのめっちゃいいな
すみれ(…言葉の意味はまだよくわからない。だけど…)
すみれ「ありがとう、恋。肝に銘じておくわ。」
恋「それにしても意外でした。こういうときは可可さんに電話をすると思ってましたから。頼ってもらえてとても嬉しいです。」
すみれ「いえ、直前までそうしようと思っていたんだけどね。不意にあんたの顔が浮かんだのよ。けど、この選択は間違ってなかったわ。」
すみれ「ありがとう、恋。」
ブツッ ツー、ツー
すみれ「…やっぱ知ってる声聞くとちょっと安心するわね。さ、寝ましょ。」
/cリs˘ヮ˘)sスゥ、スゥ
モブ「………………」
オチもまだ浮かんでない状態ですが、3日以内くらいには終わりたいと思ってます。
一発ネタかと思ったら意外と長くなりそうな感じでいいね!
ゆっくり書いていってほしい
モブ最後不穏だな、なんかあるのか?
めっちゃ面白くて好き
モブ「それはね~、寮の同室者3人で一つのテーマを発表するの。歌でもいいし、楽器でもいい。まあ、私たちは歌だよね~。」
すみれ「なるほど。それでトップを取れたらその3人がリーダーになるってことなのね。」
モブ「……違うよ~。トップを取った部屋の、さらに1人がリーダーになるんだよ~。」
モブ「そういうこと~。つまり……。」
すみれ「………つまり…。」
モブ「……………私達もライバルだね」
すみれ「………え、えぇ、そうなるわね。」
モブ「お手柔らかに頼むよ~。」
すみれ(え、なんか一瞬めっちゃ怖かったんだけど。また私なにかやっちゃいました?)
すみれ「んー!練習疲れたー!」
嫌なやつ「ねえ、あんたさ。」
すみれ「ん、なによ。」
嫌なやつ「早く退学してくれない?」
すみれ「…は?」
すみれ「……知ってるわ。だから努力してるんじゃない。」
嫌なやつ「だから!才能がないって言ってるのよ!今のままだったらあんたはいない方がいい!…モブの声だったら私の声で消せる!あんたみたいな甘っちょろいやつがいるくらいなら、2人で歌ったほうがまだ可能性があるってことよ!」
嫌なやつ「わかったなら早く荷物持って出ていきなさいよ。」
すみれ「……何を焦ってるの?」
嫌なやつ「!焦ってなんかない!!私はあんたが…」
すみれ「さっきの言葉だって、私の声はあなたじゃあ消せないってことでしょ?気づいてるんじゃないの?私が少しずつ上達していることに。」
嫌なやつ「…!」
嫌なやつがモブは退学させないのなんか理由あるんか?
嫌なやつ「……うるさい!なんで言うとおりにしてくれないの!?私がどれだけ、私が……」フラッ
バタンッ
すみれ「…!?大丈夫?ちょっと!!」
すみれ(うわぁーーこれってチャンスじゃない?この倒れた状態誰かに見てもらったら、健康問題でリーダーとか失格になるんじゃないの?)
ここのうわぁーのすみれ超小物で好き
すみれ(早く誰か、来なさいったら来なさ……)
『センター、奪いに来てよ!』
すみれ(……!!)
……
ガチモブ「……なんか音しなかった?どうしたの?」
……
ガチモブ「あれ、誰もいない。」
すみれ「あ、気がついた?保健室よ。設備すごすぎてもはや病室って感じだけど。」
嫌なやつ「……なんで私を助けたの。いなくなればあんたもリーダーを狙いやすくなるのに。」
すみれ「…そうしようと思ってたんだけどね。でも、私が憧れる人は、決して他人を蹴落とすことでトップに立とうとしなかった。手を伸ばして掴んだ先にあるから、意味があるの。自分を高めることでしか、本当の一番にはなれない。」
嫌なやつ「………。」
嫌なやつ「……私の家は名家なの。いや、名家だったが正しいかしら。音楽で名を売ったのは遠い過去。今はみな、ギリギリの生活を強いられているわ。」
すみれ「……。」
嫌なやつ「…3年生の学年リーダーになった者は、将来必ず成功する。この学校のジンクスなの。当然よね、世界一の音楽学校で、学年の一番なんだから。私は絶対に成功しなきゃならないの。必死で働いてくれてる両親のためにも。」
すみれ「…そういうことだったのね。だけど、私も負けるわけにはいかない。大切な人を想う気持ちは誰にも負けないわ。」
すみれ「平安名すみれよ。」
嫌なやつ「…へんな名前ね。」
すみれ「うるさいわね!日本では普通よ!いや平安名はそんなにいないか!」
嫌なやつ「………騒がしいやつね。」
嫌なやつ「…イヤーナ・ヤーツよ。」
すみれ「……もしかしてふざけてる?笑うところ?」
イヤーナ「ちょっと!人の名前に失礼じゃない!?」
すみれ「いや、おっしゃるとおりだわ……」
すみれ(ヨーロッパ系ではなさそうね……)
イヤーナ「……知らないわ。」
すみれ「え、なんで?むしろイジめそうじゃない。ああいう感じの子。」
イヤーナ「…………」
すみれ「ねえ」
すみれ「え…なにそのかわいい理由。」
イヤーナ「うるさいわね!もう!余計なことまで話しちゃったじゃない!」
すみれ「まあ、これから仲良くやりましょ、3人で。」
イヤーナ「……気をつけたほうがいいわ。」
すみれ「?」
モブイヤの時代くるのか?
すみれ「……え?」
イヤーナ「用心しましょう。あなたも…私もね。」
………
モブ「………」ニヤ
千砂都「お、繋がった!」
かのん「おー、すみれちゃーん!見てるかー?(からくりビデオレター)」
すみれ「千砂都、かのん!見えてるわ。えっと、今英語しか…」
千砂都「恋ちゃんに聞いて知ってるよ!翻訳しながら聞いてるから安心して!」
千砂都「?」
すみれ「あんたの練習、いたずらに厳しいだけじゃなくて、ちゃんと私のためになってたんだなって今になってわかる。こっちの練習は異次元の厳しさだけど、なんとかついていけるのはあんたのおかげよ。ありがとう。」
千砂都「えへへ、みんなが頑張るから、もっといけるかなって思って。すみれちゃんがやってきた成果だよ。いやー、なんだか子供を見守る親の気分ですなぁ。」
かのん「えー?どういう状況かわかんないけど、すみれちゃんはクズにはなれないでしょ。人を縛ったりはするけどw」
すみれ「笑ってんじゃないわよ!……それと。ごめんなさい。本当ならあんたが来るはずだった音楽学校に私がいる。あんたの夢を叶えるチャンスでもあったのに。」
かのん「……それは仕方ないよ。あの段階で気づいても、どうせもう入学はできなかったんだし。手違いが起きた時点でそういう運命だったんだよ。」
かのん「…大丈夫!将来ショービジネスの世界に入れなかったら一生言ってあげるから!「私が行ったほうがよかった」って!」
すみれ「…それはかなり効きそうだわ。」
千砂都「…無理しないでね。」
かのん「また声きかせてね。」
すみれ「……ありがとう。じゃあね。」
ブツッ
かのん「えへへ、大丈夫!……もちろん行きたかった。けど、運命が私じゃなくてすみれちゃんを選んだ。そう思うことにしてるんだ。それに……」
千砂都「それに…?」
かのん「……なんか私が行こうとしたら、留学中止になってたような予感がするから!」
千砂都「…かのんちゃんの予感は当たるからね!私達は、すみれちゃんを応援しよう!」
かのん「…そして私達も負けないように。すみれちゃん、絶対負けないよ。」
次はモブちゃん編になると思います。
モブが不穏で怖い
そしてかのんちゃん完璧な未来予知してて草
毎話ウィーンでの話+リエラメンバーとの通話っていう流れなのかな
期待してます
悪そうな人「……今日も有益な情報を感謝する。これは謝礼だ。引き続きあらゆる監視を継続しろ。マルガレーテ家のためにな。」
モブ「……はい。」
校内放送『スミレ・ヘアンナ。至急、職員室に来なさい。』
すみれ「あら、私が呼ばれたわ。」
モブ「なにか悪いことでもしたんですか~?」
すみれ「まっっったく、心当たりがないわね!私はいつでも清廉潔白ギャラクシーよ!」
モブ「……それならよかったです~。」
偉い人1「………」
偉い人2「………」
すみれ(え、なに、私なにかした?清廉潔白ギャラクシーじゃなかったの!?)
すみれ「……え、と、なにか御用でしょうか。」
偉い人1「………なにか隠していることはあるかい。」
すみれ(………あるったらありまくりよ!え、うそ、バレてるの?終わり?試合終了?第3部完?)
すみれ「………」
すみれ(どっちなの。バレていなければ、自白してはいけない。逆にバレていたら…。見る。見るのよ。目線。姿勢。息づかい。指先。声の高さ。私は、この質問に答える。文字通り命をかけて───)
すみれ「……すみません、なんのことかまったくわかりません。」
偉い人1・2「…………。」
すみれ(読み切ったーー!これは、詳細までは知らないパターン!)
すみれ「…いえ…」
すみれ(…いや、結局誰かになにかバレてるってことよね!そうでもなきゃ私みたいな平凡な生徒に投書なんて来ないもの!)
偉い人2「これから各所に聞き取り調査が入るが、君のことだ。特に問題とはならないだろう。」
すみれ「……はい。」
すみれ(え……大丈夫よね。私……。……………!!)
イヤーナ『全員、隠してた秘密が学校側にバレて退学。』
…………
すみれ『聞いてよ恋!そもそも、私の入学が手違いだったのよ!』
…………
すみれ(………まさか…ね…。)
モブ「…………」
悪そうな人「君の部屋は非常にレベルが高い。だからこそ、脅威は摘んでおきたいのだ。マルガレーテ様のためにな。」
モブ「…………」
悪そうな人「…何も情報がないのか?いや、君に限ってそんなことはないだろう。スパイの一族、その末裔の君が。」
モブ「…………」
悪そうな人「……まあいい。これから教師による聞き取り調査が入るようだ。そこで伝えて貰えれば、私が手を汚す必要もない。わかっているだろう。今まで行ってきたことをバラされたくなければ……」
モブ「…………」
すみれ「え、えぇ。大丈夫よ。何もなかったわ。向こうの勘違いだったみたい。」
モブ「……それは良かったです~。」
すみれ「……そろそろ聞いておかなければならないわね。」
モブ「……………なんのことですか?」
モブ「……ハァ。本当に何も知らないんですね~。教えてあげます。私達3室を含め10部屋ある内、実力でみたら歌は1室、楽器は6室の一強です。」
すみれ「……。」
モブ「なかでも最強は1室。マルガレーテ家の長女が在籍する部屋です。」
すみれ「!!!あのマルガレーテの!?」
すみれ「…ウィーン姉・マルガレーテ!?いやおかしくない!?産まれたときまだ姉じゃないじゃない!!その名前にはならないでしょ普通!」
モブ「?…彼女は今回のリーダー選抜試験の最有力候補。その歌の実力は…常軌を逸しています。」
すみれ「…たしかに、ウィーン妹・マルガレーテも相当うまかったわね。」
モブ「………」
すみれ『……ご飯食べてないの?…しょうがないわねぇ、冷蔵庫のもので適当に作ってあげるから、食べなさい!私の得意料理よ!』
イヤーナ『……これ。パジャマ。あんた夜寒そうにしてるから。貸してあげるわ。』
モブ(ごめんなさい、みんな。私は、覚悟を決めました。)
偉い人1「みなさんへの聞き取り調査が終了しました。結果、複数の事案に関しての情報を得ました。」
悪そうな人「……。」ニヤニヤ
偉い人1「…まずはイヤーナ。彼女に関して…」
イヤーナ「!?」
すみれ(……まさか健康問題が…)
イヤーナ「………は?//////」
偉い人1「高校生になって、くま耳のフードの付いたモコモコのパジャマはさすがにかわいすぎるのではないでしょうか。」
イヤーナ「//////」
すみれ「!」
すみれ(焦るな…平常心でいるのよ…。素数をかぞえて落ち着くのよ。イチジクのタルト。カブト虫。)
偉い人1「あなたは……」
すみれ(カブト虫!特異点!うわぁぁぁぁ!!)
すみれ「………は?//////」
悪そうな人「………!?」
偉い人「得意料理が「山菜の炊き込みご飯」は、もはやおばあちゃんに近いレベルです。将来が心配になるので、注意するように。」
すみれ「//////」
偉い人1「聞き取り調査の結果、これしか出てこなかったということです。本題は…あなたのことです。」
悪そうな人「!?」
偉い人1「過去2年間の退学について調べたところ、そのほとんどの情報源はあなただという事実にたどり着きました。」
モブ「…え~?なんのことですか~?」
悪そうな人「証拠もある!サーバーに音声データが……。…………!?ない!?」
モブ「…どうしちゃったんですかね~。やっぱり私関係ないってことですか~?」
悪そうな人『……あと3か月でリーダー選抜試験。そろそろまた、同室者の情報を渡す頃ではないか?』
モブ『…………』
モブ(…超精巧モブ人形が気を引いている間に、データにアクセスして…)
偉い人1「…なにか言い残すことはあるか?」
悪そうな人「違う、私はそんなことは」
?????「見苦しいぞ、悪そうな人。」
すみれ「!?」
すみれ(なに、この雰囲気……。今の一言でわかる。人を引きつける佇まい。脳に直接響くような強い声。…こいつ……)
すみれ(…化け物……!?)
悪そうな人「な、なんと…。マルガレーテ様…。私は、あなたのためにライバルを消して……。」
ウィーン姉「ライバルだ?貴様この野郎。舐めてると潰すぞ。…消えなさい。」
悪そうな人「………。」ガクッ
怒涛のサムネ詐欺ラッシュで草
ウィーン姉「私の部下が勝手なことをしてしまったようだ。この場を借りてお詫びをさせていただく。今まで迷惑をかけた者たちにも補償をさせていただこう。」
すみれ(……こんなやつに、勝てるはずがない!)
すみれ「……ちょっと。」
モブ「……なんですか~?」
イヤーナ「あの情報流したの、絶対あんたでしょ。」
モブ「……えへぇ~?知りませ~ん。」
イヤーナ「全校生徒の前で何暴露してくれてんのよ!」
モブ「誰かが見たんじゃ無いですかぁ~?かわいいパジャマ♡」
すみれ「……とぼけるのね。もういいわ。あんたにはもう炊き込みご飯作ってあげないんだから。」
モブ「……それは困る。」
イヤーナ「あんたも私に……おすすめの服とか教えなさいよ。」
モブ「……しょうがないなぁ~。……はぁ、口は災の元だね~。」
すみれ(…この日、はじめて3人で話せた。仲間になった私たち。この3人でこれから立ち向かわなければならない。あの怪物に。)
夏美「オニナッツーーー!今日はすみれ先輩と、ビデオ通話ですの!」
メイ「おお!すみれ先輩ーー!」
すみれ「ブレードまで振って……なんか恥ずかしいわね。みんな、久しぶり!」
きな子「久しぶりっすー!元気してたっすかー?(からくりビデオレター)」
四季「お久しぶりです。薬の効果は問題ないですか?」
すみれ「元気ったら元気よ。今のところまったく問題ないわね。本当に感謝しているわ。」
すみれ「そうね…千砂都のより厳しい練習があるとは思わなかったわ。」
メイ「すみれ先輩なら大丈夫!周りをビビらせてきてくれよな!」
すみれ「……ありがとう。今は……少し自信がないかも。どうあがいても勝ち目がなさそうな人を、この目で見てしまったの。……ごめんね、後輩に愚痴聞いてもらうなんて、先輩失格ね。」
2期生「………」
すみれ「……忘れるわけないでしょ。ひどいことしたとずっと思ってるわよ。」
四季「…でも、私たちが辞退することを伝えに行ったら、切り捨てられないなんて矛盾したことを言った。」
すみれ「………」
四季「その相反する行動にこそ、すみれ先輩というものが隠されている。」
すみれ「……何が言いたいの?」
すみれ「……はぁ!?」
メイ「可可先輩のために自分がみんなの敵になる。もうあのときすみれ先輩に残された手はそれしかなかったんだろ?けど私たちの努力を否定するなんてできない。私たちの努力を見守ってくれた。手を取って、私たちを引っ張り上げてくれた。そんな不器用で情に厚くて、人間らしいところが、先輩の魅力ってことだよ。」
すみれ「…人間らしさ。」
すみれ「……許されないことをしてしまった後輩にこんなに助けてもらえるなんてね。」
夏美「泣いてもいいですのよ?美人の涙は絵になりますの!再生数爆上げですの!!」
すみれ「ちょっとは余韻にひたらせなさいよ!……ありがとう。みんな。」
夏美「すみれ先輩のせいで、きな子が変態になってしまいましたの…。まあ、お体に気をつけますの。」
メイ「やっちまえよ、すみれ先輩。」
四季「Good luck.」
ガチャ
すみれ(私たちの戦い方。人間らしい戦い方……。……………!!!)
すみれ「ちょっとみんな!」
モブ「……なに~、朝早くに。」
イヤーナ「そうよ、休みの日くらいは寝させなさいよね。」
すみれ「私たち、ピクニックするわよ!」
モブイヤ「…へ?」
3日で終わるなんて言っておいてぜんぜん終わらなくてすみません。
あと2章くらいで終わる予定です。読んでいただいている方、本当にありがとうございます。
こんなにちゃんと設定考えてるのにいちいち名前だけくっそ適当なの笑える
やばいメッチャ面白い
ほしゅ
イヤーナ「突然どうしたのよ。律儀にお弁当まで準備して。」
すみれ「ウィーン姉・マルガレーテを見て思ったのよ。おそらく個人の技術で彼女に勝つことはできない。」
モブ「……それは同感です。」
すみれ「だけど、リーダー試験の勝敗は個人戦じゃない。部屋ごとの団体戦なのよ。…つまり。」
イヤーナ「………3人で彼女に勝つ。」
イヤーナ「…嫌に決まってるでしょ!別に私はすみれもモブも知りたくないし!」
モブ「……ほんとですか~?私の秘密、知りたくないですか~?」
イヤーナ「…いらないわよ。」
イヤーナ「……そんなわけないでしょ!おい、背中から抱きつくな!うっとうしいのよ!」
モブ「……私の声、好きなんでしょ?」ボソッ
イヤーナ「───────ッ//////」ジタバタ
すみれ(うわー耳元でささやくとか。イヤーナ死にそうじゃない。というかモブにSっ気があるなんて、意外な一面ね。)
イヤーナ「……っ!いらない!」
すみれ(…なんか情事見せられてるみたいね。女同士だけど。)
????「…ちょっといいかな、スミレ・ヘアンナ。」
すみれ「あなたは…。」
すみれ「…いえ。」
すみれ(…バレたら終わる爆弾抱えてるんだけど。)
偉い人1「まだ正式に名乗っていなかったな。私はウィーン音楽学校の教師兼音楽プロデューサーの「エライヒト・ワン」だ。」
すみれ「もう驚かないわ。」
エライヒト「なにか問題が?」
すみれ(中国系の人なのかしら。)
すみれ「頼み…。何ですか?」
エライヒト「……マルガレーテに、勝ってほしい。」
すみれ(はぁー!?勝てるなら苦労しないわよ!簡単に言うなったら言うな!)
すみれ「……教師自らそんなことを言うなんて、何か事情があるのですか?」
エライヒト「冷静だな。……彼女はウィーン音楽学校の歴史的にみても特異的な存在だ。ただ……」
エライヒト「強すぎるのだ。彼女がリーダーになれば、おそらくすべての生徒が彼女を盲信する教徒となるだろう。」
すみれ「……なっ!?」
エライヒト「事実、彼女の同室者は早々に彼女に魅せられ、今や意思を持たぬ人形のようになってしまった。」
すみれ「…それだけの実力が、彼女にはある。」
すみれ「……彼女が勝てば、私の同室者たちも。」
エライヒト「……今のようにはいられないだろうな。そして、もう一つ。校長先生から伝言を預かっている。」
すみれ「校長から…?」
すみれ「……はい。」
すみれ(…入学経緯がバレるのが嫌で私を勝たせることはない、そして負ければ退学もやむなしってことね。)
エライヒト「おかしなことを頼んでいるのは承知だ。だが、君にしか頼めないのだ。はじめて君の歌を聞いたとき、私はそこになにかを確かに感じ取った。その答えを、教えてほしい。」
エライヒト「……本当に大切なんだな、その友人が。すまないな。休み中に。」
すみれ「いえ、ありがとうございます。」
すみれ「ごめんみんな!遅くなっ───」
イヤーナ「なによ!あんたの声がきれいすぎるからいけないのよ!それにあんたのかわいい顔!体!かわいいパジャマが似合うと思っちゃったんだもの!」
モブ「……はぁー!?//////な、何言ってるかぜんぜんわからないんですけど~!//////」
すみれ「………なんかいい勝負してるじゃない。」
プルルル
ガチャ
可可「……もしもし。」
すみれ「────!……もしもし、私よ。」
可可「知ってマス。……なにか用デスか。」
すみれ「…久しぶりに声が聞きたくなってね。なんだか安心したわ。」
すみれ「…フフッ。あんたのそういう感じも変わらなくて安心するわ。」
可可「──///。ああ!モウ!可可は怒っているのデスよ!私とスクールアイドルやりたいと言ってLiella!を荒らしておきナガラ!可可をほうっておいて一人行ってしまうのですカラ!」
すみれ「……ほんとにそうよね。ごめんなさい。約束したのに、守ってあげられなかった。」
すみれ「……そ、そんなこと…ないわよ。」
可可「……ぜんぶワンさんに聞いて知っていマス。あなたが頑張っていることモ。あなたが可可のために自分を奮い立たせていることモ。」
すみれ「…は?はぁぁぁ!?///ワンさん!?え、なんで!?知り合いなの!?」
すみれ「……。」
可可「…すみれ。あなたが私のことを思ってくれているように、私もあなたが大切です。そのことを、覚えておいてください。」
すみれ「可可……。」
すみれ「………え?」
可可「……切りマス!!!!//////」
ガチャン!!
すみれ「………可可。」
イヤーナ「はあ…明日本番か。」
モブ「はやいですね~。」
すみれ「ま、私たちはやってきたことを出すしかないわ。みんなでやってきて、明らかに上達してる。それは感じているでしょ?」
イヤーナ「…そうよね。ただ、本番は全員、ライバルでもある。負けるつもりはないわ。」
モブ「…私も負けません。」
すみれ「……そうね。負けないわ。」
もうほとんど完成しているので、今日中に終われると思います。
濃厚なモブイヤあって満足
夜も楽しみにしてます
校長(CV:朴璐美)「では、これより3年生リーダー試験を開始します。まずは1室。お願いします。」
すみれ「まずは1室からなのね。早速見られるわよ。」
イヤーナ「お手並み拝見ってところかしら。」
モブ「!ウィーン姉!」
ウィーン姉「…私の歌を聞きなさい。そうすればわかるわ。自分たちが歌う必要がないということが。」
すみれ(………空気が、重い。……怖い…。)
ウィーン姉「──────────♪」
すみれ「……………………!!!!!」
イヤーナ「なに……これ……。すごすぎる………。」
モブ「………頭の中が塗り替えられるような、異常な感覚…。」
すみれ「…………………。」
ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
パチパチパチパチパチパチパチ
イヤーナ「……かっこいい。」
モブ「……たしかにあの人の言うとおりだ。私たちが歌う意味って………。」
モブイヤ「!?」
すみれ「なによ、みんな怖気づいたの?」
モブ「……すみれはなにも感じなかったのですか?」
イヤーナ「そうだよ。あの歌を聞いたら、自分の歌に意味なんか……。」
モブイヤ「…大切な…人……。」
イヤーナ「そうか……私は………両親のために。」
モブ「私は………はじめて友だちになってくれたみんなのためかな~。」
すみれ「…いいわね!いい顔になったわ。」
すみれ「もう私たちは一人じゃない!みんながいるからうまくいきそうな気がするの!」
すモイヤ「─────────────────♪」
イヤーナ(……なんだこの感覚は!…すごく歌いやすい!)
モブ(歌うのが…楽しい!)
イヤーナ(……そういうことか。やっとわかった。すみれ、あんたの歌が目立たないんじゃない!)
ガチモブ「………あれ?この人たちもすごくない?」
ガチモブ「心に響いてくる。」
ガチモブ「すごくきれいで繊細な声と、力強くて伸びる声が邪魔しないで合わさってる。」
モブ(……私たち二人の歌を目立たせるような歌い方をしている………!)
すみれ(リーダーになれるかは……まあ、厳しいわよね。でもいいわ。退学になっても、かけがえのないことを学ぶことができた。これが、私の戦い方よ!)
イヤーナ(……………あー。ムカつく。こいつ舐めてるの?どうみても自分がリーダーになれる戦い方じゃない。)
モブ(すみれが私たちを繋いでくれた。いや、今も繋いでくれている。)
モブ(……本当に最後までお人好し。)
イヤーナ(……でも…)
モブ(……今は…)
モブイヤ(あなたを勝たせたいよ。)
すみれ(……!?なんか、突然歌いやすく…)
ガチモブ「おお!サビに入ってから、今まで隠れてた歌声が、急に目立ち始めた!」
ガチモブ「優しくもあり、力強くもある、芯の通った素晴らしい声だ!」
すみれ(みんな…どうして…)
モブ(ここからは思いっきり目立ってもらいますよ~!)
すみれ(……私は…)
可可『すみれ。……我想和你永远在一起。』
すみれ(……そうね。約束破ってばっかりじゃだめ。ありがとう、みんな。ありがとう、可可!)
すみれ(ああ、胸が高鳴る。世界が輝く。これが……ひとりじゃ見れない景色。)
ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
イヤーナ「はあっ、はあっ!」
モブ「す、すごい拍手~!」
すみれ「はぁーー。やりきったぁー!」
モブ「…そんならしくない恥ずかしいこといわないでください~。…こちらこそ、ありがとう。」
すみれ「…本当にありがとう。みんなで歌えて、幸せだった。」
イヤーナ「あとは結果を見守るしかないな。」
モブ「ちょっと前まで負けた気でいたんだけどね~。不思議なものです。」
すみれ「そうね。歌の力ってすごいわ。」
ゴクリ
校長「優勝した部屋は…………………」
すみれ(来なさいったら来なさい!!)
校長「……………………………………………3室。」
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
ウィーン姉「………………!!」ギリッ
校長「講評に移ります。いずれの部屋も相当高レベルな歌・演奏でした。3室が優勝に選ばれたのは…」
校長「複数人で歌うことに意味を見出したからです。序盤はスミレ・ヘアンナは明らかにモブ・イヤーナの声をつなぐことに集中していました。その献身性は、まるで山王戦で自分を抑え、仲間にパスを出す流川楓のようでした。」
すみれ「…先生、もしかして日本の方ですか?」
イヤーナ「…何言ってるかぜんぜんわからないけど、褒められてるの?」
すみれ「…多分めっちゃ褒めてるわ。」
ウィーン姉「……私はこの結果を認めない!明らかに私が一番上手だったはず!」
ウィーン姉「!?言ったでしょう!私以外に歌は必要ないと!」
校長「しかし、終わったあとの歓声は3室のほうが大きかった。当然です。3室の歌はわれわれに歌う楽しさ、助け合う美しさを教えてくれた。それに対してあなたの歌は圧倒的な技術・才能の裏に見え隠れする孤独・寂しさ・攻撃性…。2つが同等の出来であったら、人はどちらを選ぶでしょうか?」
校長「あと半年、あなたはいろいろな人と関わりなさい。それが、あなたの歌に必ず活かされます。」
ウィーン姉「…………。」ギリッ
校長「そしてリーダーは……スミレ・ヘアンナ。」
すみれ「!?」
すみれ「…はい!!」
………その後、半年間リーダーを勤め上げた。…イジられてばっかりだったけど。ウィーン姉には手を焼いたわ。でも、最初は怖がってたみんなも根気強く呼びかけたら少しずつ話しかけるようになってくれて、ウィーン姉も徐々に心を開いてくれた。卒業コンサートでは、みんな笑顔で歌い終えることができた。
そして私は、ワンさんのプロデュースで、歌手としてデビューすることになった。
イヤーナ「…お別れね。」
モブ「さみしいですね~。」
すみれ「ほんとにね。二人はこれからどうするの?」
イヤーナ「…………………全然決めていないわ。」
イヤーナ「ちょっと!何いってんのよ!そ…そんなこと誰も…」
モブ「私嬉しかったんだけどな~。…嘘だったんだ……グスッ」
イヤーナ「……ああもう!嘘じゃない!これからもよろしく!」
モブ「えへへ~。……こちらこそよろしくね。」
イヤーナ「───────ッ!//////耳元でささやくのやめろ!//////」
すみれ(……すっかり仲良しね。)
すみれ「あら、見送りに来てくれたの?」
ウィーン姉「違う!二つ言いたいことがあったから来ただけだ!一つは、日本についたら妹に早く帰ってくるように伝えなさい!居心地がいいのか、なぜか日本に居着きそうな雰囲気なのよ!これは命令よ!」
すみれ「…あの人たらしどもにすっかり毒を抜かれてしまったのね。」
すみれ「!?どうしたの、体調でも悪いの?」
ウィーン姉「違うわよ!……最後のコンサート、一緒に歌えるように学年みんなにいつも呼びかけてくれていた。少しずつ仲良くなって、今はすっかりみんな友達。一生そんな関係の人、できないと思っていたのに。あなたのおかげ。」
すみれ「それは違うわ。あんたが成長したのよ。しかも、そうなってからさらにあんたの歌は凄みを増した。今戦ったら勝てないったら勝てないわよ。卒業コンサートでもあんたの声のバランスとるの苦労したわ~。」
イヤーナ「全員で有名になって、卒業生で集まってライブとかやりましょうよ!」
モブ「また会える気がしてます。ありがとう、すみれ。」
すみれ「こちらこそ、ありがとう。またね!」
すみれ「Hi everyone!I’m back in Japan!」
恋「すみれさん!帰ったのですね!」
きな子「すっごい流暢な英語っす!」
夏美「日本語で言ってくれないとわからないですの。」
四季「薬の効果は、あと2週間くらい。」
メイ「なんか微妙にわかるのもイラッとするな。早く翻訳アプリ使おうぜ。」
千砂都「すみれちゃん。私たちもラブライブ、前人未踏の2連覇達成したんだよ!」
すみれ「おめでとう。決勝、みんなで見てたわよ。ウィーン姉が妹の歌ってる姿見て号泣していたわ。」
すみれ「……かのん。ありがとう。みんなのおかげで、私はここまで来られた。感謝ったら感謝よ。」
かのん「私も高校卒業したらCDデビューさせてもらえることになってるんだ。……絶対負けないからね。」
すみれ「…望むところよ!」
すみれ「まだ会ってないのよね。どこにいるんだろう。」
きな子「可可先輩なら、さっき中庭にいたっすよ。」
すみれ「可可!」
可可「………すみれ、おかえりデス。」
すみれ「…ただいま。」
可可「歌手デビューするそうデスね。」
すみれ「ワンさんのおかげよ。本当に助けてもらったわ。」
可可「まあ、期待せずに、見ててやるデス。」
可可「……!」
すみれ「契約金とかで、お金の用意はできた。今なら私の夢をあなたに話せる。……ねえ、可可。私のそばにいてくれない?」
可可「………我想和你永远在一起。我比任何人都要爱你!!」
すみれ「……可可?」
可可「…ふん!答えが知りたかったら、英語じゃなくて中国語を勉強するデス!」
可可「ナンデスカ。」
すみれ「……すごく言いづらいのだけど……。」
可可「………ナンデスカ。」
すみれ「今の私、薬の影響で何聞いても日本語に聞こえるのよね。//////」
すみれ「ずっと一緒にいたい。あなたを誰よりも愛していますなんて…。」
可可「忘れろデス!ハヤク!//////」
すみれ「…………ずっと……。」
可可「………すみれ?」
可可「すみれ!!!」ダキッ
すみれ「クゥクゥ……!ずっと一緒にいたい…!」
可可「可可も…グスッ…すみれと一緒にいたいデス…!」
挫折の経験も、ハッタリの技術も、歌もダンスも。仲間との友情も。
積み上げてきたものに無駄なものは一つもなかった。
そしてこれからも積み上げてくのだろう。
熱い気持ちは、まだ続いていく。
先人のSSと比較してクオリティがぜんぜんしょぼいので、もっとちゃんとした長編書けるようにがんばります。
わずかながらこっそりジャンプ系漫画のパロ散りばめたので、気づいてもらえたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
電話で言われた可可の言葉もわかってたってことか
よく考えられてておもしろかったです
モブイヤの後日談とか書いてもええんやで
めっちゃ面白かった
ちゃんとすみれパートの歌詞なのいいね
善子の系譜だね、スピンオフで主役張れるくらいキャラが立ってる
子役時代とか卒業後とか妄想が膨らむ
クオリティとは言うが、地の文さえ入れればそれっぽくはなるんじゃないか
おもしろかった
スピンオフのスピンオフになってしまうけどモブイヤのスピンオフ見たいわ
クゥすみも可愛いしオチも綺麗でよかったのでまた書いてください
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