【SS】穂乃果 「腕立て頑張るよっ!」【ラブライブ!】
ことり 「無理しないで! 穂乃果ちゃん!」 アセアセ
穂乃果 「に、にぃぃぃぃぃぃぃ~~!!」 フラフラ
穂乃果 「うぅ、ダメだぁ」 パタリ
ことり 「お疲れ様。はい、水だよ」
穂乃果 「ことりちゃん、ありがとぉ……」 ゴクゴク
穂乃果 「さっそく再チャレンジしよう!」
ことり 「待って穂乃果ちゃん!」
ことり 「急な運動は体に逆に良くないよ? それに急に腕立てなんてどうして?」
穂乃果 「そ、それは特に理由はないけど……」
ことり 「本当?」 ジッーーー
穂乃果 「うっ」
穂乃果 「……」 アセアセ
真姫 「まあ大体理由は分かるけどね」
穂乃果 「あっ、真姫ちゃん!」
真姫 「……それにしても懐かしいわね、腕立て伏せ」
穂乃果 「えっ?」
真姫 「ほら、笑顔で腕立て伏せでしょ」
穂乃果 「ああっ、あの時の! 真姫ちゃんまだ覚えててくれたんだね! 嬉しいな」
真姫 「アタリマエデッショ……///」
真姫 「まあ卒業してから結構経つし、穂乃果は運動してなさそうだし」
穂乃果 「うっ、図星だ……!」
真姫 「それにしても、いくら客が今いないからって、働いてる途中で腕立てしてるってどういうこと?」
穂乃果 「あはは、つい思い立っちゃって」
ことり 「穂乃果ちゃんらしいよね!」
ことり 「ピッ!?」
真姫 「普通止めるでしょ」
穂乃果・ことり 「「す、すみません……」」
真姫 「……ちなみに」
穂乃果 「?」
真姫 「私、医者の卵なわけだけど」
真姫 「いる?」
穂乃果 「ま、真姫ちゃん……!!」
ことり 「優しい……!!」
真姫 「なっ!?/// ち、違うわよ? 私は天才真姫ちゃんだから、参考書もどんどん読み終わっちゃうの! だからいらなくなっただけで……///」
穂乃果 「ありがとう! 真姫ちゃん!」 ダキッ
真姫 「ほ、穂乃果!?///」
真姫 「ことり!? と、撮らないで!?」
雪穂 「あの……」
穂乃果・ことり・真姫 「「!?」」
雪穂 「遊んでるうえに、先輩たちまで」
雪穂 「失望しました。ことりちゃんはまだしも、クールだと思ってた真姫さんまで一緒に遊んでるだなんて」
ことり・真姫 「「!?」」 ガーン
真姫 「私は巻き込まれただけよ!?」
穂乃果 「あはは、本当困っちゃうよね」
雪穂 「お姉ちゃんが一番問題なんだからね……?」 ゴゴゴゴ
穂乃果 「ひぃぃぃ! ごめんなさい!」
…
…
…
絵里 「あれ? 穂乃果じゃない」
穂乃果 「絵里ちゃん!?」
穂乃果 「絵里ちゃんだーー!」 ダキッ
絵里 「ちょ穂乃果!? 私汗かいてるわよ!?」
穂乃果 「大丈夫! 穂乃果も汗かいてるから!」 ドヤッ
絵里 「どこが大丈夫なの!?」
絵里 「いや多分違うわよ。私は穂乃果と違って、思いつきで行動してないの。日頃から、運動してるのよ」
穂乃果 「ほ、穂乃果だって! この一年は運動するって決めたんだから!」
絵里 「まあ、理由は何であれ、運動することは偉いわね」
穂乃果 「最近はね、食事制限もしてるんだよ!」
穂乃果 「……その目は! 信じてないね?」
絵里 「こないだことりが、マカロンをプレゼントしたら全部食べたって言ってたけど」
穂乃果 「ことりちゃんのバカ! 秘密って言ったのに!」
絵里 「……それに、無理な食事制限は良くないわよ。真姫から貰った本にも書いてなかった?」
穂乃果 「……書いてた」
絵里 「確かにお菓子とかは減らさないといけないけど、ちゃんと食べるものは食べた方がいいわ。ダイエットにしても、体を鍛えるにしても、楽しみながらじゃないと続かないわよ」
穂乃果 「……そんな気がする」
穂乃果 「遊園地?」
絵里 「遊びながら運動ができる、良いことじゃない」
穂乃果 「うーん、遊園地は運動とは違う気がするけど……?」
絵里 「まあ正直言うと、私が穂乃果に来てもらいたいだけなんだけどね。最近忙しくて会えてないでしょ? ダメかしら」
穂乃果 「全然ダメじゃないよ! 私も希ちゃんとにこちゃんに会いたいし!」
絵里 「ふふ、それならよかった」
…
…
…
花陽 「良かった……!!」 パァァ
穂乃果 「こんな美味しいお米が作れるなんて、花陽ちゃんは天才だよ!!」
花陽 「えへへ、ありがとう穂乃果ちゃん!」
凛 「かよちんのお米は、すごく評判が良くて、スポーツ選手の中でもいっぱい食べられてるんだよ!」
花陽 「凛ちゃんが監督さんにすごくオススメしてくれたからね……おかげで色んな人から注文されるようになったんだ」
凛 「えへへ、それほどでもあるにゃ」
穂乃果 「全然謙遜しないね」
凛 「そういえば真姫ちゃんから聞いたよ。最近、穂乃果ちゃんも運動してるんだって?」
穂乃果 「うん! 少し怠けないようにね!」
凛 「でも別に、卒業した後も、穂乃果ちゃん太ったりしてなかったと思うけど、なんで急に……?」
花陽 「穂乃果ちゃん……!」
凛 「偉いにゃ!! 穂乃果ちゃん、凛と一緒にプロ陸上目指そう!!」
穂乃果 「それは無理だよ!?」
花陽 「……ダイエットには適してないかもだけど、体を鍛えたいならお米をたくさん食べるのも必要だよね。もし穂乃果ちゃんが良かったらなんだけど」
穂乃果 「?」
穂乃果 「いいの!? やったー! ありがとう、花陽ちゃん!!」 ダキッ
花陽 「穂乃果ちゃん!?」
凛 「凛もかよちんに抱きつくにゃーー!」 ダキッ
花陽 「凛ちゃんまで!?」
穂乃果 「花陽ちゃん、なんだか柔らかくて安心するぅ」 ギュッ
凛 「しばらく離したくないにゃ……このまま一時間くらいくっつきたいにゃ……!」 ギュッ
花陽 「ダレカタスケテーーー!」
…
…
…
にこ 「もしかしてあんた怖いの?」
希 「えりち、えりちの後ろに長い髪の白い服を着た女性が……!」
絵里 「うぎゃぁぁぁぁーーーー!」
穂乃果 「穂乃果だよ!」
絵里 「あっ、穂乃果だったのね」
にこ 「いや相変わらずビビりすぎじゃない?」
穂乃果 「そんな理由だったの!?」
希 「幽霊、物理攻撃効かないと思うけど……」
にこ 「それにしても、まさか穂乃果まで来るなんて意外だったわ。実家の穂むら、忙しいんじゃないの?」
穂乃果 「事前に話してこの日は、遊んでもいいって許可を貰えたんだ!」
希 「穂乃果ちゃんには最近会えてなかったけど、全然変わってなくて安心やね」
にこ 「高校生の頃とほぼ同じだもんね」
穂乃果 「どういうこと!?」
穂乃果 「腕立て伏せももちろんだけど、運動全般頑張ってるよ!」
にこ 「もしかしてまたアイドルをするつもりだったりする?」
穂乃果 「えっ?」
にこ 「それなら私が事務所に話を通してあげるから、私の事務所からデビューしましょう! 穂乃果だったら、すぐに人気になるに違いないわ!」 ガシッ
穂乃果 「あはは……気持ちは嬉しいんだけど、穂乃果、アイドルはもうするつもりないんだ」
穂乃果 「やっぱり、あのスクールアイドル、あの一瞬が特別だったから」
にこ 「あんたならそう言うと思ってたわ。心変わりしたのかもって、ちょっと期待したんだけどね」
絵里 「そういえば、こないだにこをテレビで見たわよ」
にこ 「そりゃあそうよ。私は人気アイドルなんだから」
絵里 「バラエティ番組だったけど」
にこ 「……まだまだ下積み期間は長いってことね」
にこ 「転機……ついに人気アイドルに……!」
穂乃果 「芸人になるのかな?」
にこ 「ぬぁんでよ!」
穂乃果・絵里・希 「「おおっーー!」」 パチパチ
穂乃果 「久しぶりに、にこちゃんの『ぬぁんでよ!』が聞けた!」
絵里 「さすがキレがあるわねぇ」
希 「これは売れそうやね」
にこ 「一応言っておくけど、持ちネタじゃないからね!?」
絵里 「今のうちにサインでも貰っておこうなしら」
にこ 「ふふ、私のサインなんて将来プレミアがつくに違いないんだから、有り難く今のうちに貰っておきなさい」
希 「じゃあサインを……あ、それより、穂乃果ちゃん」
にこ 「それより!?」
穂乃果 「今はね、三十回は余裕だよ!」
にこ 「三十回? すごいわね……」
絵里 「まあ私の指導のおかげね」
にこ 「その努力の割には、しょうもない理由だけどね」
穂乃果 「なっ、にこちゃん! 全然しょうもなくないよ!」 プンプン
穂乃果 「まあね」
にこ 「勿体無いなぁって思って。しかも、こんなに運動してたこと、話すつもりもないんでしょ?」
穂乃果 「うん! 別に自慢するためにやってきたわけじゃないからね!」
にこ 「いやー……あんたの根性にはさすがの私も負けるわ」
希 「……これが愛ってやつやね!」
穂乃果 「あ、愛!?/// そんな大それたものじゃないんだけどなぁ……///」
希 「お化け屋敷は?」
絵里 「ティーカップ!!!!」
希 「めっちゃ嫌がるやん」
にこ 「お化け屋敷は後で行きましょ。穂乃果、いろいろ大変だと思うけど、今日はとりあえず全力で楽しみなさい!」
穂乃果 「うん!!」
穂乃果 (μ’sのみんなが、応援してくれている、支えてくれている。それなら穂乃果もあと少し、頑張らなくちゃ!!)
…
…
…
穂乃果 「つ、疲れた~~!!」 パタリ
ことり 「お疲れ様。はい、水だよ」
穂乃果 「ことりちゃん、ありがとぉ……」 ゴクゴク
穂乃果 「よし! 生き返った!」
ことり 「ふふ、良かった♪」
穂乃果 「……それにしても、あの腕立てを最初に始めた日から明日で一年経つんだね」
ことり 「……そうだったね」
ことり 「穂乃果ちゃん、本当にお疲れ様!」
穂乃果 「うん!! ことりちゃんもありがとね、私を一年間支えてくれて……!」
ことり 「ことりは、隣で応援したり、飲み物やタオルを渡してただけだよ。それにたまにお菓子を作っちゃって邪魔しちゃったし……」
穂乃果 「そんなことない! ことりちゃんのサポートには本当に助かったし、お菓子だって、苦しそうにしてる穂乃果を笑顔にしたかったからでしょ? ちゃんと分かってるから……すごく感謝してるから、ことりちゃん!!」
ことり 「穂乃果ちゃん……!」 ウルッ
真姫 『しばらく運動してなかった人が、また運動を始める時の参考書みたいなの、持ってるけど』
絵里 『確かにお菓子とかは減らさないといけないけど、ちゃんと食べるものは食べた方がいいわ。ダイエットにしても、体を鍛えるにしても、楽しみながらじゃないと続かないわよ』
凛 『偉いにゃ!! 穂乃果ちゃん、凛と一緒にプロ陸上目指そう!!』
希 『……これが愛ってやつやね!』
にこ 『お化け屋敷は後で行きましょ。穂乃果、いろいろ大変だと思うけど、今日はとりあえず全力で楽しみなさい!』
穂乃果 (……みんな、ありがとう)
穂乃果 「ふふ……だと良いけどね。そうだ、ことりちゃん、運動のことは秘密だからね?」
ことり 「う、うん! もちろんだよ!」
穂乃果 「穂乃果は安心させたいんだ、自慢したいんじゃない。だから、こんなに運動したことは秘密! 能ある鷹は爪をなんとかだよ!」
ことり 「隠す、だよ穂乃果ちゃん!」
穂乃果 「楽しい一年間だったね。でも、明日からはもっと楽しくなるって穂乃果、確信してるんだ。分かるでしょ? ことりちゃん」
ことり 「うん! ことりも同じ気持ちだから」
穂乃果 (……待っててね、海未ちゃん)
…
…
…
穂乃果 「もちろんだよ!! 海未ちゃんと一年ぶりに会えるんだもん!」
海未 「……? あなた」
穂乃果 「どうかした?」
海未 (一年前より筋肉がついてるような……)
海未 「あ、いや、なんでもないです」
穂乃果 「?」
穂乃果 「そ、それは……!」 ギクッ
海未 「……もう、穂乃果は私がいないとダメなんですから。でも見た感じ、太ってはいませんし、そこまで生活習慣を崩したわけじゃないみたいですね」
穂乃果 「あはは……ちょっと頑張ったよ!」
海未 「それを聞けて安心しました。あと穂乃果、せっかく来てくれたところ悪いんですが、あちらから送ったダンボールを運んで取り出さないといけないので、少し忙しいんです。三時間くらいで終わると思うので、適当にどこかで時間を潰しておいてください」
海未 「気持ちはありがたいのですが、弓道の一式は重いものばかりですし、穂乃果が持てる重さでは……」
穂乃果 「このダンボールはどこに持って行けばいい?」 グイッ
海未 「ええっ!? それ結構重かったはずなんですが……」
穂乃果 「あれ? えへへ、持ち方が良かったのかな。とりあえず運ぶ場所教えてよ海未ちゃん!」 ニコッ
海未 「そ、そうですか……それならそのダンボールはあちら側にお願いします」
海未 「穂乃果走ったら危ないですよ!?」
海未 「……もう、相変わらず穂乃果は騒がしいんですから。でも、穂乃果が元気で良かったです」
ことり 「海未ちゃん!」
海未 「ことり!? ことりも来てくれたんですね!!」
ことり 「ふふ、久しぶり! だけどことりだけじゃなくて、μ’sのみんな、海未ちゃんに会うために来る予定だよ」
海未 「そうなんですか!? 嬉しいです!」
海未 「そうなんですよ。それにしても穂乃果があんな力持ちだったなんて知りませんでした」
ことり 「……だよね、知らないよね」
海未 「ええ……?」
ことり (海未ちゃんに心配をかけないために生活習慣をしっかりする。そして、引越しの片付けをすぐに終わらせて、たくさんお喋りできるために、体を鍛える。そのための一年間の腕立て伏せなんて)
ことり (……穂乃果ちゃん、すごいや)
ことり (二人ともことりの最高の、自慢の、幼馴染だよ)
海未 「今行きますからちょっと待っててください!」 タタタッ
穂乃果 「うぎゃぁぁぁぁーーーー! ダンボールが崩れたぁぁぁぁ!?」
海未 「穂乃果!?」
穂乃果 「あはは、ごめん!」
海未 「穂乃果、危ないことはやめてください。心配するでしょ!」
海未 「もう、せっかちなんですから」
穂乃果 「それより、プロチームでの一年間、どうだった?」
海未 「もちろん学べることがたくさんありましたよ。大変なこともありましたがそれも良い思い出です……って、私の話は良いですから、穂乃果の一年間のことを教えてください」
穂乃果 「えー? 穂乃果も勿論話すけど、まずは海未ちゃんからだよ!」
穂乃果 「ほ、穂乃果の一年間は秘密だよ!」
海未 「なっ!?」
穂乃果 「能ある鷹は爪を撫でるってね!」
海未 「隠すですよ!!」
ワイワイ
ワイワイ
穂乃果 (……ふふ。一年間、頑張って良かった!)
おわり
卒業後もμ’sが仲良し系ssが好きです。
コツコツ努力を重ねる大切さを日々実感しております。
穂乃果ちゃん偉い!
キャラの喋りが物凄い自然でスッと楽しめました
みんなそれぞれの道歩んでる描写がよかた
穂乃果ちゃんは海未ちゃんがいないと逆にしっかりするタイプ
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