かのん「ちぃちゃんのお店の前にマルガレーテちゃんがいる……?」
かのん「声は聞こえないけどちょっと見てみようっと」
千砂都「──」ニコニコ
ウィーン「!」プイッ
千砂都「──」ナデナデ
ウィーン「──!」
千砂都「──」スッ
ウィーン「……」パクッ
千砂都「──」ニコッ
かのん「……は?」
3期の希望やとおもとる
かのん「ちぃちゃんもちぃちゃんだよ。なんであんな子にあんな優しくして……」ムスッ
かのん「……」
かのん「なんかちぃちゃんのたこ焼き食べる気分じゃなくなっちゃったし帰ろう」クルッ
千砂都「あれ? かのんちゃーん!!」
かのん「!?」
かのん「あ、あれぇ? ちぃちゃん今日バイトだったんだー」
千砂都「さっきマルちゃんにも食べてもらったんだけど、新作の味見してもらってもいい?」
かのん「あっ、そうなんだー」
かのん「……」チラッ
ウィーン「?」
かのん「……」プイッ
ウィーン「……?」キョトン
かのん「へ、へえ。マルガレーテちゃん結構来るんだー?」
ウィーン「ま、まあ、たまーに来るわね」
千砂都「私がバイトの時を聞いて遊びに来てるんだよ、ねー?」
かのん「は?」
ウィーン「ち、ちがう! ちぃに会いに来てるんじゃなくてちぃのたこ焼きを食べに来てるの!」
かのん「……ちぃ?」
千砂都「かわいいよね、その呼び方」
かのん「へ、へえ、仲いいんだね」
ウィーン「べ、別に仲良くなんてないわ」プイッ
ウィーン「澁谷かのんがちぃって言ってたんじゃない」ムスッ
千砂都「素直じゃないところもかわいいよねー」ナデナデ
ウィーン「だから撫でないでってば!」
かのん「……」
千砂都「トマトを入れてみたんだけど、どうかな?」
かのん「っ!」アーン
千砂都「……かのんちゃん?」
かのん「……」アーン
千砂都「口開けてどうしたの?」
かのん「……」
かのん「ちょっとあくびしただけ」
千砂都「そっか。はい、どうぞ」
かのん「……ありがとう」
かのん「……」モグモグ
千砂都「どう?」
かのん(ちぃちゃんが食べさせてくれるとか……!)キッ
ウィーン「?」
千砂都「うーん、やっぱりそうだよね……。私もなにか足りないなーって思ってたんだよね……」
千砂都「マルちゃんだとおいしいしか言ってくれないからさー」
ウィーン「本当においしいんだから仕方ないでしょ!?」
千砂都「もう、かわいいなあ!」ウリウリ
ウィーン「やめて! 髪が崩れるでしょ!?」
かのん「……」
かのん(全然おいしくない……)
かのん「そりゃちぃ──」ハッ
千砂都「ちぃ……?」
かのん「ちぃ、チーズ! そう、チーズ!」
千砂都「そっか、チーズ!」
千砂都「チーズをちょびっと入れたらおいしくなるかも!」
千砂都「ありがとう、かのんちゃん!」
かのん「……どういたしまして」
千砂都「トマトにチーズ……なんかイタリア風だよね……」
千砂都「そうだ!」
千砂都「じゃーん! マルゲリータたこ焼き!」
かのん「マルガレーテ!?」ジロッ
ウィーン「!?」
千砂都「あはは、マルガレーテじゃなくてマルゲリータ」
千砂都「あー、でもいいかも。マルちゃんたこ焼き」
ウィーン「わ、私!?」
千砂都「一番最初に味見してもらったのマルちゃんだしね」
千砂都「それにまんまるだし、マルゲリータ風だし」
千砂都「そういう意味でマルちゃん」
ウィーン「は、恥ずかしいからそれはやめてほしいわ」
千砂都「えー? いい名前だと思ったのにー」
かのん「……」
かのん「……」
千砂都「あーん」スッ
かのん「……」ギリギリ
ウィーン「……」パクッ
ウィーン「っ!」
千砂都「おいしい?」
ウィーン「!」コクコク
千砂都「よかったー、今度新作会議に出してみよーっと」
千砂都「マルちゃんたこ焼き」
ウィーン「だからそれはやめてってば!」
かのん「……」ムスッ
千砂都「またきてねー」
かのん「……じゃあ、私も帰るね」
千砂都「あ、待って、かのんちゃん」
かのん「何?」
千砂都「かのんちゃんさー、マルちゃんに嫉妬してたでしょ?」ニヤニヤ
かのん「は!? し、してないから!」アセアセ
千砂都「口開けてあーんってしてほしそうにしてー」
千砂都「最初に食べさせてあげたの見てたんでしょ?」ニヤニヤ
かのん「帰るっ!」
千砂都「まだマルゲリータたこ焼き試食してないでしょ?」
かのん「いらない」
千砂都「そんな事言わないでよー、ごめんってばー」
かのん「……」
千砂都「ほら、あーん」スッ
かのん「……」
かのん「あー……」
千砂都「あ、待って」ヒョイッ
かのん「ん!?」
かのん「……それ、マルガレーテちゃんにもやったの?」
千砂都「やってないよ、かのんちゃんの特別」
かのん「……」
千砂都「はい、あーん」
かのん「あーん」パクッ
千砂都「おいしい?」
かのん「……おいしい」
千砂都「よかったー」
かのん「……思ってない」
千砂都「ふふ、そっか」
千砂都「まあ、それはそうだよねー」
千砂都「私にとって、いつまでも一番はかのんちゃんだもん」
かのん「……」
千砂都「一番かっこよくて、かわいくて、優しくて、憧れ」
かのん「……」
千砂都「なに?」
かのん「もしかして他の子にもそういうことしてる?」
千砂都「えー、してないよー」
かのん「だからマルガレーテちゃんあんなに懐いてるんでしょ!?」
千砂都「違うってばー」クスクス
千砂都「大体、女の子誑かしてるのはかのんちゃんの方でしょ?」
千砂都「普段はこっちがかのんちゃんをとられちゃうと思って気が気じゃないんだから」
かのん「えっ?」
千砂都「えっ?」
おわり
もう少し見せろ見せてください
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