【SS】璃奈「歩夢さん…嫌い…」ポロポロ【ラブライブ!虹ヶ咲】
私は歩夢さんが、すき…///
最初は歩夢さんとは同好会の”仲間でライバル”だと思っていたが
一緒にゲームをしたり、お買い物をしたり、一緒にいる時間が増えていき、次第に歩夢さんのことがすきになっていった…///
歩夢さんの優しく寄り添ってくれるところが、すき…///
一緒にいるととっても心が落ち着く…///
私もこうやって人に優しく寄り添えられる人になりたいって尊敬もしていた
また、私は昔から家族と一緒に過ごす時間が少なかった…
小さな頃から孤独で悲しい思いをすることが多かった私は、ずっと一緒にいて優しく寄り添ってくれるお姉ちゃんが欲しかったと思っていた
そう!歩夢さんはまさしく私にとって理想の姉のような人!
この前なんてついうっかりお姉ちゃんって言ってしまいそうになっちゃった///
そして来週の3月1日は待ち待った歩夢さんの誕生日!
素敵なプレゼントで歩夢さんを絶対に笑顔にする!
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
同好会では、メンバーの誕生日に必ずその人の誕生日パーティーをしている
みんなでプレゼントを贈ったり、ゲームをして遊んだり、日々の感謝を伝えたりするのが主な内容
私にとってこの誕生日パーティーは同好会みんなともっとつながれる大切な時間
前回はランジュさんのパーティーで、次回の歩夢さんのパーティーは約一週間後の3月1日 なのだが…
かすみ「ねぇりな子、歩夢先輩への誕プレ決まった?」
璃奈「まだ決まってない….しずくちゃんは?」
しずく「私は歩夢さんが欲しがっていたコスメをあげるつもり」
栞子「なるほど。たしかに歩夢さんは美容にも気を使っていましたからね」
璃奈(しずくちゃん…歩夢さんが欲しがっているコスメ知ってるんだ…)
璃奈(いつの間にか歩夢さんと仲良くなってる…)
璃奈「かすみちゃんと栞子ちゃんは?」
かすみ「かすみんは特製コッペパン!」
栞子「私は、卵焼きを作ろうと思います」
かすみ「え!?しお子が手料理するの?」
栞子「なっ!なんですか!その反応は!」
かすみ「いやぁ~だってしお子って~
栞子・かすみ「」キャンキャン
しずく「あはは…まぁ栞子さんは歩夢さんに手作りの卵焼きを食べさせてもらってたから、そのお礼もあって、手作りの卵焼きをごちそうしたいんだろうね」
璃奈「…..」
璃奈「手作りの卵焼き…栞子ちゃん凄いな…歩夢さん絶対喜ぶよ…」
しずく「璃奈さんうかうかしてると、栞子さんに歩夢さんをとられちゃうよ」
璃奈「っ///」
璃奈「やめてよ/// しずくちゃん///」
しずく「ふふっ。でも璃奈さんが心を込めたプレゼントなら,きっと歩夢さんも喜んでくれるよ」
璃奈「そうかな….?」
しずく「大丈夫だよ。璃奈さんだって、歩夢さんにプレゼントを貰ったら嬉しいでしょ?」
璃奈「うん、すごくうれしい…」
しずく「だから難しく考えなくてもいいんじゃない?」
璃奈「うん…」
同好会のみんなは各自でプレゼントを決めて準備していたが、
私はプレゼントを決められていなかった…
ー 放課後 ー
璃奈「…..」
璃奈「どうしよう…」
案がない訳ではない…
歩夢さんが好きなこと、私が時間内でできることを考えるとゲームを作るという選択が妥当だけど…
もっと歩夢さんが喜んでくれるものがいいなって思う…
ゲームでも喜んでくれると思うけど…
歩夢さんへのプレゼントって考えると…
もっと可愛いものだったり、手作りで気持ちがこもったプレゼントだったり…
そうやって悩み続けている時に…
歩夢「あっ!璃奈ちゃん!」
璃奈「!」
璃奈「あ、歩夢さん…」
当の本人に会ってしまった…
歩夢さんに会えたのは嬉しいけど、気まずい…
歩夢「丁度よかった。璃奈ちゃんを探していたんだよ」
璃奈「私を?」
歩夢「うん。最近美味しいケーキ屋さんができたから、璃奈ちゃんと一緒に食べに行きたいって誘おうとしてたところなんだ」
歩夢「璃奈ちゃんが好きないちごのショートケーキがたくさんあるからきっと喜んでくれるって思って」
歩夢「それで…一緒にどうかな…?」
璃奈「…///」
璃奈(歩夢さんの方から、誘ってくれるなんて…///)
璃奈(凄い嬉しい///)
璃奈(歩夢さんとケーキが食べられる♪)
私の心情は”プレゼントの内容が決まらない悩み”から、”歩夢さんと一緒にケーキを食べに行ける喜び”へ完全に移り変わった
璃奈「うん!私も食べたい」
歩夢「よかった~ じゃあ行こっか」
璃奈「うん…///」
璃奈(楽しみ…///)
ー ケーキ屋 ー
オシャレな店内にはケーキの甘い香りが漂っている
最近オープンしたばかりなので、お店には行列ができていた
歩夢「結構並んでるね」
璃奈「でも、ここまで来たら食べたい」
歩夢「ふふっ、そうだね。じゃあゆっくり待とう」
私達は雑談をしながら順番を待った
やっとショーケースの前まで来ると、私達はケーキに目を奪われた
歩夢・璃奈「わぁぁぁぁぁぁ!!!」
ショーケースには様々な種類のケーキが綺麗に陳列されていおり、どれも美味しそうだ
「歩夢さんはどのケーキがいい?」と聞こうと思い、歩夢さんの方を向くと
歩夢「どれも美味しそう~どうしようかな~」キラキラ
そこには子供のように目を輝かせた歩夢さんがいた
焼き菓子同好会に行った時もこの表情をしていたと思い出す
歩夢さんは表情がコロコロと変わる、そこが歩夢さんのいいところの一つだし私もすき
璃奈(ずっと見ていたい…///)
私はケーキより歩夢さんの表情を見ていた
歩夢「ああ~迷っちゃうな~」
璃奈「…..」じぃー
歩夢「璃奈ちゃんはどのケーキがいい?」
璃奈「…..」じぃー
歩夢「璃奈ちゃん?」
璃奈「あっ…..///」
歩夢「大丈夫?ぼーっとしてたみたいだけど…」
璃奈「う、ううんっ!なんでもない、大丈夫」
歩夢「そう?大丈夫なら良いけど」
璃奈(歩夢さんをずっと見てたなんて言えない…///)
璃奈(話を逸そう///)
璃奈「それにしてもどのケーキも美味しそうだよね」
歩夢「そうだね~いちごが旬だからショートケーキもいいし、このモンブランもおいしそう…
あとチョコレートケーキもいいなぁ」
璃奈「そ、そんなに食べるの?」
歩夢「へ!?あ、い、いや///」
歩夢「も、もちろん1個だよ!沢山食べちゃったら太っちゃうからね!べ、別に全部食べたいなぁとか思ってないよ!う、うん」
璃奈(歩夢さん、そんなにケーキ好きなんだ)
歩夢「じゃあ私は…..このチョコレートケーキにする!」
璃奈「私はショートケーキにする」
会計を済ませて席についた
歩夢「わぁ~♡やっぱり美味しそう♡」カシャ カシャ
璃奈「待った甲斐があったね」
歩夢「ね~♡やっと食べられるよ~♡」
歩夢「それじゃあ…」
歩夢・璃奈「いたただきます!」
書き留めが無くなったので今日はこれでおしまいにします
歩夢「ん~♡おいしい~♡」
璃奈「最高~♡」
歩夢「は~♡幸せ~♡」
歩夢さん、いい笑顔…
歩夢さんが幸せそうに食べているの、すき…///
誰かが美味しそうに食べるところがすきって言う人がいるけど
今ならその気持ちがわかる
歩夢さんが美味しそうに食べてるのずっと見ていたい
歩夢さんが幸せなら、私も幸せ…///
璃奈「…..」じぃー
歩夢「璃奈ちゃん?」
璃奈「えっ!」
歩夢「またぼーっとしてるけど…」
璃奈「なんでもない…///」
歩夢「本当?大丈夫?」
璃奈「うん../// 大丈夫だから///」
歩夢「そう…」
歩夢「…」パクッ
歩夢「ん~♡」チラッ
璃奈「….」じぃー
歩夢「璃奈ちゃん、またぼーっとしてるね…」
璃奈「っ/// き、気のせいだと思う…///」
歩夢「嘘、バレバレだよ」
璃奈「うっ…///」
歩夢「ぼーっとしてると言うか、ずっと私のこと見てたよね?」
璃奈「…..」
完全にバレてる…
これは….正直に答えよう….
璃奈「うん…///」
歩夢「どうして?」
歩夢「こっちも流石にじぃーって見られちゃうと…恥ずかしいし…///」
璃奈「それは…///」
璃奈「歩夢さんが幸せそうにケーキを食べていたから…///」
璃奈「それがあまりも素敵な笑顔だったから…つい…///」
歩夢「っ…///」
歩夢「もう…///」
歩夢「恥ずかしいよ…///」
璃奈「私歩夢さんが美味しそうに食べてるところ、すき」
璃奈「それに、歩夢さんが美味しそうに食べてるケーキもより一層美味しそうに見える」
歩夢「じゃあ、璃奈ちゃんも食べてみる?」
璃奈「え?いいの?」
歩夢「うん、璃奈ちゃんにもこのケーキの美味しさを知って欲しいし」
璃奈「ありがとう、歩夢さん!」
歩夢「ふふっ」ニコニコ
歩夢「じゃあ璃奈ちゃん、あ~ん」
璃奈「!?」
璃奈「えっ///….恥ずかしい…///」
歩夢「えぇ…食べたくないんだ…」
歩夢「じゃあ、私が食べちゃお~」
璃奈「ああっ!待って!」
歩夢「ふふっ。さっきは私が恥ずかしい思いをしたけど、今度は璃奈ちゃんの番だよ」
璃奈「ううっ…///」
歩夢「璃奈ちゃん、あ~ん」
璃奈「あ~ん…..///」パクッ
璃奈「….」
璃奈「美味しい….///」
歩夢「私もね璃奈ちゃんが食べてるところ好きだよ」
璃奈「ええっ///」
歩夢「とっても可愛いからずっと見てたくなっちゃうんだ」
璃奈「恥ずかしいよ…///」カァァァァァァ
歩夢「これでおあいこだよ」
璃奈「ううっ…///」
あ~んは恥ずかしかったけど…
歩夢さんにしてもらったのは嬉しかった///
一緒にケーキを食べて過ごしたこの時間
それは私が食べたショートケーキのいちごよりも、甘酸っぱかった
また歩夢さんとケーキを食べたいな…///
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ーー
ー
ケーキを食べた後、私と歩夢さんはショッピングを楽しんだ
歩夢「ふふ・・・クソゲークソゲー」ニコニコ
璃奈(歩夢さんが見てるの、クソゲーだよね….)
璃奈(しかも、相当な…)
歩夢「このゲームとっても面白いんだよ」ニコニコ
璃奈「う、うん…」
ゲームを一緒に見たり
璃奈「どうかな….?」
歩夢「おおおおっっ!!」
歩夢「可愛いよおぉ!!!璃奈ちゃん!!似合ってるよぉぉ!!!」
璃奈「そうかな….///」
歩夢「可愛すぎてたまんないよ!!!」ギュッ
璃奈「わぁっ///ちょっ///急に抱きつかれたらっ///」
歩夢「あぁ~だって璃奈ちゃんが可愛いだもん~」ギュゥ
璃奈(歩夢さんが可愛いって言ってくれて、しかも抱きついてくれてる///)
璃奈(私、幸せ///)
歩夢さんに服をコーディネートしてもらったり
歩夢「この髪飾り、璃奈ちゃんにぴったりじゃない?」
璃奈「わぁ///綺麗…///」
歩夢「ふふっ可愛い。やっぱり似合ってるよ」
璃奈「えへへ///」
歩夢「じゃあ、これ買ってくるね」
璃奈「え!?そんな、歩夢さんに悪いよ」
歩夢「いいの。元は私がいきなり誘ったんだから、そのお礼だよ」
璃奈「歩夢さん…///ありがとう…///」
髪飾りを買ってもらうなど、歩夢さんと一緒に楽しい時間を過ごした
やっぱり歩夢さん、すき
お姉ちゃんみたいで優しくしてくれる
一緒にいると心が落ち着く
しかし、私は完全に歩夢さんの誕生日プレゼントのことを忘れてしまっている…
それどころか、逆にプレゼントをもらってしまった…
歩夢「あっ!見て綺麗な花」
璃奈「凄い綺麗」
私達は丁度通りかかったお花屋さんに寄った
色鮮やかな花が沢山あり、とても綺麗だった
璃奈「歩夢さんって、花が好きなの?」
歩夢「うん。花って綺麗なのも魅力だけど、一つ一つに言葉が込められてるのが好き」
歩夢「相手に花を贈ることで自分の思いを伝えることができるのが素敵」
璃奈「確かに。お祝いの時も花言葉の思いを込めて花を贈るね」
璃奈「歩夢さんは花を贈られたら嬉しい?」
歩夢「もちろん。その人が思いを込めてくれた花なんだから嬉しいよ」
璃奈「!」
璃奈「そうだよね!私も贈ってもらったら嬉しい!」
その時、私は歩夢さんのプレゼントのことを思い出した
けど以前のような内容を決められないという悩みは無くなっていた
今日歩夢さんと一緒に遊んで多くのヒントを得ることができたのだから
歩夢さんがとびきり喜んでくれるプレゼントを贈ろう!と、私は決意した
歩夢「璃奈ちゃんどうしたの?凄いウキウキしてるみたいだけど」
璃奈「え?ああっ、今日歩夢さんと一緒に遊んで楽しかったなって思ってた」
歩夢「ふふっ、私も楽しかったよ璃奈ちゃん」
歩夢「もう夜だし、今日はここでお別れしようか」
璃奈「えっ…そんな…」
歩夢「明日も学校だしそろそろ帰らないと」
璃奈「嫌!もっと歩夢さんと一緒にいたい!」ギュッ
歩夢「えぇ!?そんなこと言われても…」
璃奈「お願い…」
歩夢「うっ…///ずるいよそんな可愛い顔するなんて///」
璃奈「歩夢さんと一緒にいたいの…..」
璃奈「だめ?」
歩夢「うううっっっ…..///」
歩夢「じゃあ…..夜ご飯一緒に食べるまでならいいよ」
璃奈「やった!!」
璃奈「ありがとう歩夢さん!」
歩夢「もぅ…///あんな風に言われたら断れないよ…///」
璃奈「えへへ」
今日は歩夢さんと夜ご飯まで一緒にいることができた
こんなに長く一緒に時間を過ごせて幸せ…///
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
翌日…
私は歩夢さんへの誕生日プレゼントに、手作りのケーキと花を贈ることに決めた
インターネットで色々調べていると…
璃奈(ドライフラワー?)
璃奈(永久ではないけど花を長持ちさせることができるんだ。けど乾燥するのに時間がかかる)
璃奈(色々な使い方ができるけど、ハーバリウムにするのが良さそう)
璃奈(よし!早速準備しよう)
そして、昨日歩夢さんと一緒にきたお花屋さんに行き花を買おうとしていたのだが、
璃奈「どうしよう…どの花がいいんだろう…」
また悩んでしまった…
店員「何かお困りですか?」
璃奈「えっ!あっ…その誕生日プレゼントに花を贈りたいんですけど….」
店員さんが話しかけてきてくれた
それもそのはずだ
かなり長い時間、悩んでいたからだ…
璃奈「色々調べたんですが…どの花がいいのか分からなくて悩んでいたんです…」
店員「なるほど。でしたら誕生花を贈るのはいかがでしょうか」
璃奈「誕生花…?」
店員「生まれた月日にちなんだお花のことを言います。自分の誕生花を贈られたなら、きっと贈られた方も喜ばれると思います」
店員「あとはバラも多いですが、ガーベラも誕生日に贈る花として人気ですよ」
璃奈「誕生花…いいかも….」
璃奈「あの、3月1日の誕生花ってどんな花ですか?」
店員「3月1日…誕生花で贈るとすると…プリムラ・オブコニカですね」
店員「えっと….こんな花になります」
店員さんは店内から探し出してその花を見せてくれた
ピンク、紫、黄色など様々な色合いでとても綺麗な花だった
璃奈「綺麗…」
店員「とてもいい花なのですが…3月1日となるとあと一週間ありますので、今すぐ花束にするのはおすすめできませんね..」
璃奈「いえ、ドライフラワーにしてハーバリウムを作ろうと思っているんです」
店員「なるほど。それでしたら今すぐご用意できます」
璃奈(やっぱり花束にして贈ることが多いのかな)
璃奈(花束にした方が良かったのかな)
璃奈「あの、やっぱり花束にして贈ることが多いですよね?」
店員「確かに花束で贈ることは多いですが、ドライフラワーにするために花を買うお客様もよくいらっしゃいます」
店員「この花もハーバリウムにするととても綺麗なので、きっと素敵なプレゼントになりますよ」
璃奈「そうですか…」
優しい店員さんの言葉でハーバリウムでも良かったんだとちょっと安心したが
やはり花束にして贈った方が歩夢さんに喜んでもらえるとも考えてしまった…
ハーバリウムにすると長持ちはするけど、花束より綺麗さは落ちる
逆に花束にすると時間は短いがやっぱり綺麗さは1番だ
どうするべきか…
そこで私は歩夢さんが言っていたことを思い出す
歩夢さんは綺麗さだけでなく花言葉が一つ一つ込めらていることが好きと言っていた
花の綺麗さだけでなく花言葉にも着眼して、歩夢さんに伝えたい思いを込めて花を贈ることが大切なのかも…
璃奈「うーん…」
璃奈「すみません…もう一度考えてみてから花をを選んでもいいですか?」
店員「ええ。もちろんどうぞ」
璃奈「ありがとうございます」
私は一度お花屋さんを離れてじっくり考えた
自分が伝えたい歩夢さんに思っていること、伝えたいことはどんな思いか
そしてその思いを伝えるためにどんな花が相応しいか
花言葉を調べたり、ハーバリウムにするか花束にするのかももう一度考え直した
そして…
璃奈「すみません…お花を買ってもいいですか」
店員「はい。もちろん構いませんよ」
璃奈「では…」
ーーー
ーー
ー
店員「なるほど…これだとお値段はかかりますが、よろしいでしょうか?」
璃奈「はい、大丈夫です」
店員「分かりました。では早速ご用意します」
ーーー
ーー
ー
店員「レシートとお釣りでございます」
璃奈「ありがとうございます」
璃奈「…..」
璃奈「あの…もらって喜んでもらえますかね…」
私が不安そうに聞くと店員さんがニコっとして
店員「はい。お客様が長時間熟考されて思いを込めたお花ですから、きっとそのお方にも喜んでいただけますよ」ニコッ
璃奈「っ…///」
璃奈「ありがとうございます…///」
店員「きっとお客様の思いは伝わります。頑張ってください!」
璃奈「はい!」
私はお花屋さんを後にして、残りの必要な物を買った
親切な店員さんのおかげで、とってもいいプレゼントになると思った
歩夢さんに喜んでもらえるハーバリウムにするために、家に帰った私は早速ドライフラワーを作り始める
ハーバリウムの容器に入れやすくするためにまず花を小さくカットする。
次に密閉容器にドライフラワー用の乾燥剤を敷き詰めて、その中に花を完全に埋める
最後に容器の蓋を閉めて、一週間放置する
これで下準備は終了
次はケーキだが、まず料理上手な彼方さんに相談することにした
彼方「ケーキの作り方か~」
璃奈「うん彼方さんならきっと知ってると思ったから」
彼方「へぇ~歩夢ちゃんに自分の手作りケーキをプレゼントしたいんだね」
璃奈「うっ…///何でそれを…///」
彼方「まぁ歩夢ちゃんの誕生日近いからね。あと最近、璃奈ちゃんよく歩夢ちゃんと一緒にいるのよく見かけるから」
璃奈「うっ…..///」
彼方「璃奈ちゃん、歩夢ちゃんのこと大好きだもんね」
璃奈「恥ずかしい…///」
彼方「ごめんね~よし、からかうのもここでやめにしてっ」
彼方「じゃあ一緒に私の家でケーキ作ろっか」
璃奈「えっ?いいの?」
彼方「うん。彼方ちゃんも歩夢ちゃんにスイーツをプレゼントしたかったからね」
彼方「どうせなら、一緒に作ったほうが楽しいよ」
璃奈「うん!ありがとう彼方さん!」
私と彼方さんはまずスーパーで材料を買い、彼方さんの家で一緒に作ることにした
彼方「さてと、始めようか」
璃奈「うん。お願いします!」
私は彼方さんに教えてもらいながらケーキを作った
璃奈「おいしくできるかな….」
彼方「じゃあ、歩夢ちゃんがおいしくケーキを食べてるところを想像してみて」
璃奈「歩夢さんがケーキを食べているところを?」
彼方「うん、私も遥ちゃんに何か作る時は遥ちゃんが美味しそうに食べてくれるところを想像しながら作ってるんだ」
彼方「そうすれば、相手の為においしく作ろうって気持ちになるよ」
璃奈「相手の為に…」
璃奈「…..」
ー
ーー
ーーー
歩夢「ん~♡おいしい~♡」
歩夢「璃奈ちゃん、ありがとう♡」
歩夢「ねぇ….私、もっと璃奈ちゃんのケーキが食べたいの….」
歩夢「だから….ずっと一緒にいてくれない….?」
ーーー
ーー
ー
璃奈「よし!やる気が出てきた!」
彼方「おおっ!いいね!その調子だよ璃奈ちゃん!」
その後も私はケーキ作りを一生懸命に頑張った
彼方「璃奈ちゃん上手だね~」
璃奈「そう…かな?」
彼方「うん。歩夢ちゃんもきっと喜んでくれるよ」
璃奈「えへへ///」
初めてのことで大変だったけど、とっても楽しかった
彼方さんは私に教えてくれながら自分が贈る用のスイーツも作っており、レベルが高いなと思った
しかも美味しそう、やっぱり彼方さんは凄い
そして、あっという間に時間が過ぎていき、遂にケーキが完成した
璃奈「やった!!できた!!」
彼方「おおおおっ!!!凄いよ璃奈ちゃん!!とっても綺麗で美味しそう!!」
璃奈「彼方さん、ありがとう!!」
彼方「ううん。璃奈ちゃんが頑張ったからだよ。歩夢ちゃんもこれは大喜び間違いなし!」
璃奈「….」ギュゥ
彼方「えっ…///璃奈ちゃん!?」
璃奈「私、彼方さんに相談してよかった。今日はありがとう、彼方さん」
彼方「もぉ照れるよ~///璃奈ちゃん///」
ケーキを作り終えた私は家に持ち帰った
また、お花屋さんで花束を受け取り、
最後にハーバリウムを完成させようとしていた
璃奈「よし!ラストスパート!」
私は容器から花を取り出し、乾燥していることを確認した
花は完全に乾燥しており、ドライフラワーになっていたのでこれでハーバリウムにすることができる
璃奈「ハーバリウムを完成させよう」
私は花が入る細長いボトル、専用のオイル、ドライフラワーを用意した
ボトルの中にドライフラワーを入れ、オイルを注ぐ
あとはしっかり蓋をしてこれで完成
璃奈「終わった….」
璃奈「歩夢さんへの誕生日プレゼントが全て揃った!」
璃奈「これで、歩夢さんも喜んでくれる!!」
璃奈「楽しみだなぁ」
ケーキとハーバリウムと花束、全てのプレゼントが揃い、私は達成感と優越感に浸っていた
明日の誕生日パーティーが待ち遠しい、楽しみで仕方ない
プレゼントをもらった歩夢さんの喜んでいる顔を思い浮かべるだけで幸せだった
けど翌日、そんな気持ちはぐちゃぐちゃに壊れた…..
翌日…
今日は待ちに待った歩夢さんの誕生日当日
こんなに胸がドキドキしているのは初めてのライブ以来だ
学校に行く準備を済まして、最後にプレゼントを持つ
璃奈「うっ….重い…」
それもそのはずだ。ケーキの袋を抱え、さらにハーバリウムと花束を入れた袋も持っている
小さい私にとってかなりの負担になっていた
歩くたびにフラフラとしてバランスが取れない
複数回に分けて持っていくか、誰かを呼んで手伝ってもらうなどの考えをすれば良かったのだが
その時、冷静さを失っていた私にはこんな考えなど浮かばなかった…
璃奈「よし….行こう….」
なんとかマンションを出ることができたが….
璃奈「うっ….」
足元は全く見えず、見るからに危なかったそして
璃奈「えっ!あっ!うわぁ!!」コテッ
ガシャーーン ビチャァ グシャァ
璃奈「痛っ….」
璃奈「あっ!ああっ!!」
体制を崩した私は、そのまま転んでしまった
ハーバリウムは容器が壊れてオイルと花がこぼれてしまっている
ケーキはぐしゃぐしゃに破壊されクリームとスポンジ、いちごが辺り一体に散乱している
花束は飛び散ったケーキの破片とハーバリウムのオイルがこびりついてもう贈れるような状態ではなかった
私が用意した歩夢さんへのプレゼントは一瞬で全て台無しになった
璃奈「っ…..」
頭が真っ白になった、いやもうどうなっているのかすら分からなかった
歩夢さんの喜んでいる姿などもう想像することはできない
散乱したプレゼントを見て、走馬灯のように今までの記憶が蘇る
プレゼントの制作過程や、お花屋さんの店員さん、彼方さんの顔が浮かぶ
そして、歩夢さんの顔も…..
もうどうしたらいいのか分からなかった
これを絶望と言うのだろうか
璃奈「……」ポロポロ
気づいた時には涙が溢れていた
これは何の涙なのだろう
せっかく作ったプレゼントが台無しになったからなのか?
協力してくれた二人に対しての申し訳なさからなのか?
歩夢さんへの涙なのか?
それとも全ての思いを含めた涙なのか?
もう何かも分からなくなっていた、現実なのか悪夢なのかすら
ただ、一つ分かる現実は、今までの過程が全て無になったということだ
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
彼方(歩夢ちゃんにプレゼント喜んでもらえてよかった~)
璃奈「次は、私の番!璃奈ちゃんボード[よし!]」
彼方(おっ次は璃奈ちゃんだ。璃奈ちゃん、ケーキも頑張ってたけど、さらにハーバリウムと花束も用意してるんだもんね。歩夢ちゃんもきっと大喜びだよ)
璃奈「歩夢さん、誕生日おめでとう!!璃奈ちゃんボード[ハッピー!]」
璃奈「私からはお花のプレゼントだよ」
歩夢「わぁ!ありがとう、璃奈ちゃん、綺麗なお花~」
彼方(え?ケーキは?ハーバリウムは?花束は?)
璃奈「歩夢さん、いつもありがとう!璃奈ちゃんボード[感謝!]」
歩夢「うん!こちらこそありがとう」
璃奈「よかった!喜んでもらえて!璃奈ちゃんボード[ほっ…]」
彼方「……」
彼方(よくないよ….せっかく用意したプレゼントは?)
彼方(璃奈ちゃんがあんなに歩夢ちゃんの為に心を込めて頑張ったのに…..)
彼方(しかも、ずっとボードをつけたまま話してる…絶対何かあったよね….)
璃奈「…..」
ー
ーー
ーーー
数時間前…..
璃奈「どう….しよう…..」ポロポロ
歩夢さんへのプレゼントは全て台無しになった
もう、ダメだ
帰りたい…..
でも、ここで帰ったら、またあのライブの時と一緒だ…..
私だけ来てないとなると….絶対みんな心配する….
そうなると…..もう誕生日パーティーどころじゃなくなるよね
せっかくの歩夢さんの誕生日なのに…..
私のせいで歩夢さんの誕生日を台無しにするのだけは嫌….
行かなきゃ…..行こう….
プレゼントは…..ケーキとハーバリウムはもうグシャグシャだから片付けないと….
花束は….ほとんどダメだけど…何本かはまだ大丈夫みたい
よし…..これなら…..まだ…..いける…..
ーーー
ーー
ー
私は散乱したプレゼントを片付けて、無事だった花束の花を数本持ってパーティーにでた
彼方さんと店員さんには後で事情を話して謝ろう
ボードは…..してないと…..できない……耐えられない…..
そして…時間は過ぎていき….パーティーは終わった…..
日も落ちてもうすっかり夜になっていた
みんなで片付けを終えて、それぞれ帰ろうとすると
彼方「璃奈ちゃん、ちょっといい?」
璃奈「あっ….彼方さん…..」
やっぱり彼方さんから話しかけてくれた
そうだよね…..彼方さんは事情を知ってるもん
何より、ケーキ作りに協力してくれて感謝しかない
けど….彼方さんと……話そうとすると…..もう……
璃奈「ごめん!彼方さん….!」タタタタタタタタッ
彼方「あっ!璃奈ちゃん!」
私は一目散に逃げ出した
彼方さんには1番に謝らないといけないのに…..
何やってるんだろう…..最低だ…..
璃奈「はぁ…..はぁ…..」
歩夢「ねぇ、夜に音楽室まで来ちゃって大丈夫なの?」
侑「いいでしょ、今日くらい」
侑「いや、今日だからこそ。かな」
侑さんと…..歩夢さん…..?
ここは音楽室?
私は物陰に隠れながら二人の様子を伺っていた
歩夢「今日だからこそ?」
侑「うん、歩夢の誕生日だからこそだよ」
歩夢「えぇ///もぅなに?」
侑「ふふっ」
侑「改めて、歩夢、誕生日おめでとう」
侑「私が、スクールアイドルにハマることができたのも、同好会のみんなと出会えたのも、音楽を始めることができたのも、今とっても楽しい日々を送れているのも全部、あの時歩夢がスクールアイドルをやりたいって言ってくれたおかげだよ」
歩夢「侑ちゃん…..」
侑「ずっと一緒に歩夢と過ごしてきたけど、あの時は私の人生の中でも1番の時間なの」
侑「歩夢があの時言ってくれたから、今の私がいる。歩夢が一緒にいてくれる、私は頑張れる」
侑「だから今日歩夢に、今の私にできる最高のプレゼントを贈るね」
そういうと侑さんはピアノの方に向かい…座った….
侑「ふぅ…..」
侑「飛び立てる Dreaming Sky 一人じゃないから」
侑「どこまでも 行ける気がするよ 空の向こう」
侑「強く 願う 今 高く 高く ほら」
これは!歩夢さんの曲!
ピアノも上手だけど…..何より….
侑さんの歌声….綺麗…..
ピアノの旋律も歌声も心が込められていて、素敵…..
これが侑さんが贈る、歩夢さんへの最高のプレゼント….
凄いな….こんなプレゼント貰ったら…….歩夢さん感動するよ……
本当なら…私だって…..歩夢さんに……プレゼントを……贈る……はず………だった……のに…….
侑さんの演奏が終わった…..
歩夢「侑ちゃん!」ギュッ
侑「わぁ!歩夢!?」
歩夢「侑ちゃん、ありがとう….嬉しいよ….」ポロッ
侑「よかった。歩夢に喜んでもらえて」
歩夢「1番嬉しいよ!侑ちゃん!」
侑「最近歩夢と一緒にいる時間が少ないから、独り占めしちゃった」
歩夢「うっ….ううっ….」
侑「でもね、これだけは変わらない。歩夢と一緒でも一緒じゃなくても、歩夢のことが1番大切なのは私だよ」
歩夢「侑ちゃん!」ギュゥ
凄いな侑さん….やっぱり歩夢さんのことを1番思ってる…….
侑さんと比べたら….私なんか….
もう耐えられない…..帰ろう….
璃奈「…..」グスッ
璃奈「…..」タタタタタタタタタタッ
でも一つだけ誇れる…..
歩夢さんの前で涙を流さなかった…..
私…..偉い…..
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
翌日から私は学校を休んだ…
彼方さんにはLINEで逃げてしまったこと、ケーキを台無しにしてしまったことを謝った
本来なら直接謝るべきなのに、また失礼なことをしてしまった…..
友達も同好会のみんなも心配の連絡をしてくれる….
周りはみんな優しくて….いい人ばかりなのに….
もう….自分が嫌になる….
この絶望感と脱力感は何なんだろう?
元はと言えば自分の過失なのに…
多くの人に迷惑と心配をかけて….私は何がしたいんだろう…..?
ははっ…考えても分からないや….
このまま家にいてもつまらないので、気晴らしに外に出てみることにした
ー
ーー
ー
私の心と裏腹に、街はいつも通り
特にいつもと変わらない、見慣れた風景
私の憂鬱さなんて、ちっぽけなものに過ぎないのかな
「璃奈ちゃん!!」
璃奈「っ…..!!」
暗いことを考えながら街を歩いていると、聞き慣れた声が私の動きを止めた
歩夢さんだ
歩夢さんの声だ
おそらく私のことを心配してくれて….家まで来てくれていたのだろう….
歩夢「璃奈ちゃん…..大丈夫…?」
歩夢「学校も数日来てないよね?」
歩夢さんが優しく声をかけてきてくれた…..
やっぱり心配してくれていたんだ….
璃奈「心配かけて….ごめんなさい….」
歩夢「ううん…でも元気そうでよかったよ」
璃奈「…..」
やっぱり優しいよ….歩夢さんは….
わざわざ来てくれるなんて….
それに比べて私は…..
璃奈「こんな私なんかのために….」
歩夢「璃奈ちゃん…..」
璃奈「また…こうやって….迷惑や心配をかけて….」
璃奈「自分勝手で不注意で最低なことをして….」
璃奈「もう私なんて….嫌い….」
歩夢「そんなことないよ」
歩夢「私は璃奈ちゃんのことがすきだよ」
歩夢「璃奈ちゃんともっと一緒にいたいし、璃奈ちゃんと一緒にいると幸せ」
歩夢「気持ちが落ち着いたらまた一緒に遊びに行こうよ」
璃奈「歩夢さん…..」
こんなにも親切にしてくれる….ずるいよ….歩夢さん….
しかも、歩夢さんが私をすきって言ってくれたことは嬉しい
ほんとに歩夢さんは素敵な人、やっぱりすき
けど….私は…..
璃奈「歩夢さん…..」
璃奈「私は…..私は…..」
私もすき….
歩夢さんがすき….
歩夢さんの優しいところがすき
歩夢さんと一緒にいると心が落ち着く
歩夢さんと一緒にいると幸せ
もっと歩夢さんと話したいし、もっと遊びたい
もっと歩夢さんのことを知りたいし、もっと繋がりたい
もっと一緒にいたい
でも私と一緒じゃだめなの
歩夢さんはこんな私と一緒にいちゃだめ
歩夢さんは侑さんと一緒にいるべきなの
侑さんは歩夢さんのことを1番理解していて、1番歩夢さんへの思いも強い
私に歩夢さんと一緒にいる資格はない
けど….きっと歩夢さんは優しいから私のことも気にかけてくれるし、一緒にいようとしてくれるよね…..
今だって歩夢さんが私のことを思って言ってくれたよね
歩夢さんのそういうところがとってもいいところだし、私もすき
だから…..だから…..
私は…..
璃奈「歩夢さん…嫌い…」ポロポロ
歩夢「えっ…….」
もうここで全部終わらせないと….
歩夢さんは…私なんかが一緒にいていい人じゃないの
歩夢さんは素敵なところがいっぱいあるから、色々な人を笑顔に、幸せにして欲しい
私と一緒にいるのは、もったいないよ….
歩夢「璃奈…..ちゃん…..」
歩夢さんの絶望した顔….
こうなることは十分に分かっていたつもりだった
けど…..実際に直面すると….
優しく手を差し伸べてくれた歩夢さんを完全に拒絶し傷つけたという事実とその罪悪感が一気に襲ってきて….
ああ….
ああああ…..
ああああああ!!!!
璃奈「ごめんなさい….ごめんなさい…..!!」ポロポロ
璃奈「…..」タタタタタタタッ
歩夢「待って….璃奈ちゃん…..!」
璃奈「うっ…..」ポロポロ
私は、歩夢さんにまた最低なことをした…..
優しく手を差し伸べてくれる歩夢さんに対して….
自分の都合で”嫌い”という言葉を吐き捨てて….挙句、また逃げ出した….
泣く権利なんかないのに….
もう嫌だ….自分が嫌い……
ごめんなさい…..歩夢さん…..
ごめんなさい…..
ごめんなさい…..
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
璃奈ちゃんに嫌いって言われてしまった時は驚きと絶望で何も言葉がでなかった….
けど….璃奈ちゃんが泣きながら言った”ごめんなさい”を聞いたら….違和感を思い出した….
けど、その理由はなんだろう….
そう考えていると….
彼方「あれ?歩夢ちゃん?」
振り返ると彼方さんがいた….おそらく彼方さんも璃奈ちゃんに会いに来たのだろう
歩夢「もしかして…彼方さんも璃奈ちゃんが心配で?」
彼方「うん…私は同好会の代表としてきたんだ」
彼方「というか….歩夢ちゃん、学校が終わったらすぐに璃奈ちゃんの家に行ってたよね?」
歩夢「えっ…..? あっ!同好会のこと忘れてた!」
彼方「まぁ…それだけ璃奈ちゃんのことが心配だったんだね….」
最初は心配だから同好会みんなで行こうって話になってたけど….
事情を知っている私からすると、みんなで押しかけるのは今の璃奈ちゃんにとってよくないと思ったので
なんとか理由を付けて私が代表して璃奈ちゃんに会いに行ったのだが….
歩夢ちゃんが来てるとは….
彼方「それで、璃奈ちゃんと会った?」
歩夢「はい…..」
彼方(歯切れの悪い返事….何かあったね….これは….)
歩夢「それで….彼方さん….ちょっと話をしてもいいですか?」
彼方「うん…いいよ。じゃあ移動しようか」
ーーー
ーー
ー
彼方「そっか….璃奈ちゃんがそんなことを….」
彼方「…..」
彼方(おそらく璃奈ちゃんは、歩夢ちゃんが本気で嫌いなんじゃなくて….あの事でかなり心が追い込まれているのだろう…..)
歩夢「はい….きっと….私のせいなんです…..」
彼方「どうしてそう思うの?」
歩夢「誕生日パーティーの時から少し様子が変だなって思ったんです…」
歩夢「ボードをずっと付けているなっていうのは、見てて分かったんですけど….」
歩夢「何か無理をしているような…空元気に振る舞っているような気がして….」
歩夢「その時はそこまで深く考えていなかったんですが…翌日から璃奈ちゃんが休んでいることと璃奈ちゃんと会ってみて、私のせいだと思いました」
彼方「…..」
彼方(鋭いな…歩夢ちゃん….璃奈ちゃんのことをよく見てる)
彼方(けど、歩夢ちゃんのせいじゃないの….)
彼方(しかも、その振る舞いは璃奈ちゃんが歩夢ちゃんの為にしたことなんだ…)
彼方(あの事があっても璃奈ちゃんは歩夢ちゃんの誕生日を自分のせいで台無しにしたくないと….)
歩夢「彼方さんは、その理由を知っていますよね?」
彼方「え!?ど、どうして?」
歩夢「彼方さん、パーティーの時もずっと璃奈ちゃんのことを心配そうに見てましたから」
彼方「….うん…..まぁ….」
歩夢「それで….その理由を教えください」
彼方「…..」
彼方(言っていいのだろうか…..)
彼方(璃奈ちゃんは誕生日パーティーの時も、歩夢ちゃんと会った時もあのことを言わなかった….)
彼方(もし、ここで私があのことを言ってしまったら…璃奈ちゃんが歩夢ちゃんを思ってした行動が無駄になってしまう….)
彼方(それに….歩夢ちゃんもあのことを知ったら…..と、考えると….)
彼方「ごめんね….言えない….」
歩夢「どうしてでもですか?」
彼方「うん…..」
歩夢「…..」
歩夢「そこまで…. 私は璃奈ちゃんに嫌われるようなことをしてしまったんですか?」
彼方「いや…..ちがうよ…..歩夢ちゃんのせいじゃないよ」
歩夢「だって!それ以外ないじゃないですか!私の誕生日から璃奈ちゃんの様子が変わっていて….翌日からお休みなんて….」
歩夢「しかもあの精神的に追い込まれたような….璃奈ちゃんの姿…..」ポロポロ
歩夢「もう全部….私のせいなのに…..その原因が分からないんです….」ポロポロ
彼方「…..」
彼方(ごめんね….璃奈ちゃん…..勝手に話をしちゃって….)
彼方「分かった…..歩夢ちゃん….理由を話すよ…..」
歩夢「っ….」
彼方「まずはじめに言うと…璃奈ちゃんが歩夢ちゃんに用意したプレゼントはあのお
花じゃないの」
歩夢「え…..?」
彼方「璃奈ちゃんはね、歩夢ちゃんに大喜びしてもらいたくて、素敵なプレゼントを用意していたんだ」
彼方「私はその過程で璃奈ちゃんのプレゼントを少し手伝ったからこの事情を知ってるの」
彼方「そのプレゼントはとっても素敵だった。璃奈ちゃんも一生懸命に心を込めて作ってたし、歩夢ちゃんもきっと大喜びすると確信した」
彼方「しかも、私が手伝ったプレゼント以外にも複数プレゼントを用意しているって聞いたよ」
彼方「写真で見せてもらったけど….全部最高のプレゼントだった…」
彼方「けど…..誕生日当日…..璃奈ちゃんが……プレゼントを運ぼうとしてる時に….転んでしまって…..プレゼントは全部…..壊れてしまったの….」
歩夢「っ……!」
彼方「それでも璃奈ちゃんは自分が休んで歩夢ちゃんの誕生日パーティーを台無しにしたくないから、プレゼントを急務で用意して参加したの」
彼方「その時は私も意味が分からなかったよ。せっかく用意したプレゼントじゃなくて別のプレゼントを渡しているんだから」
彼方「そしてパーティーの翌日に連絡をもらって初めてその真実を知ったんだ….」
彼方(自分は心を込めて用意したプレゼントを相手に渡せないのに、周りはそれぞれのプレゼントを渡している…..)
彼方(こんなの…..私は耐えれない….)
彼方「私が知っているのはここまで…」
歩夢「…..」ポロポロ
歩夢「璃奈ちゃんは….私の為に無理をして….パーティーに出ていた….」
歩夢「それを知らずに私は….璃奈ちゃんに…..自分の思ったことをただぶつけて….」
歩夢「私…..なんてひどいことを….」
歩夢「私のせいで璃奈ちゃんをあんなに悲しませて….」
彼方「歩夢ちゃん…」
彼方「歩夢ちゃんのせいじゃないよ….あれは事故だったんだよ….誰も悪くないの」
歩夢「だって私は….!璃奈ちゃんの気持ちを汲まずに無責任な事を言ってしまった!」
歩夢「そりゃ嫌われるのは当たり前だよ….」
歩夢「ごめん…..璃奈ちゃん……」
彼方「…..」
彼方「歩夢ちゃん….」ギュッ
彼方「璃奈ちゃんはね、歩夢ちゃんのことが好きだよ」
彼方「歩夢ちゃんも璃奈ちゃんが好きなのは知ってる」
彼方「それは二人を見ていても、二人から話を聞いててもわかるもん」
彼方「どっちもお互いに相手に対する思いやりがあるし、二人でいる時もとっても仲が良いよね」
歩夢「ううっ….」
彼方「それに、まだ璃奈ちゃんが本当に歩夢ちゃんのことを嫌いになったとは限らないよ」
歩夢「えっ?」
彼方「ねぇ….璃奈ちゃんが嫌いって言った時、どんな感じだった?特に変わったところはなかった?」
歩夢「変わったところ…..」
歩夢「!!」
歩夢「走って行ってしまう時に、ごめんなさいと涙を流しながら言っていたところです…」
歩夢「最初はそれを聞いた時に少し違和感を感じました…」
彼方「そっか。それなら璃奈ちゃんは歩夢ちゃんのことは嫌いじゃないと思うよ」
歩夢「どうしてそう思うんですか?」
彼方「璃奈ちゃんが本当に歩夢ちゃんのことが嫌いなら、涙を流してまでごめんなさいとは言わないと思う」
彼方「もしかしたら璃奈ちゃんなりに何か考えがあったのかもしれないし、けどそれは本人に聞いてみないと真意はわからない」
歩夢「確かに….」
彼方「だから、歩夢ちゃんもあまり自分を責めないでね」
歩夢「彼方さん…..」
歩夢「ありがとうございます。なんだか心がスッキリしました」
彼方「よかったよ~、歩夢ちゃんが元気になって」
彼方「けど、歩夢ちゃんは今日は同好会をお休みしてゆっくりしよう」
歩夢「えぇ!?な、なんでですか!?」
彼方「歩夢ちゃんも相当追い込まれてたから、少し休まなきゃ」
彼方「それに、璃奈ちゃんに本心を聞きたい気持ちは分かるけど、璃奈ちゃんの気持ちの整理ができてから話ても遅くはないよ」
歩夢「うっ….」
彼方「同好会には私から連絡しておくから」
彼方「大丈夫だよ、璃奈ちゃんはきっと歩夢ちゃんのことが好きだから、また一緒にいられるよ」
歩夢「分かりました…..」
歩夢「…..」
彼方「…..」
彼方「璃奈ちゃんをとったりしないから安心して」
歩夢「!?」
歩夢「なっ!何言ってるんですか///」
彼方「あははっ」
彼方「じゃあ、私は璃奈ちゃんの家に行ってくるよ。
彼方「歩夢ちゃんも心配しなくて大丈夫。璃奈ちゃんはきっと元気になるから」
歩夢「彼方さん….」
歩夢「彼方さん、話を聞いてくれてありがとうございました」
彼方「いいえ~」
歩夢ちゃんと別れた私は、今度は璃奈ちゃんと話すために璃奈ちゃんの家まで向かった
ーーー
ーー
ー
璃奈「あぁ…..」
全部私のせいだ…
手伝ってくれた人にも悪いことをして…
みんなに心配をかけて….
優しくしてくれた歩夢さんを傷つけてしまった
最低だよ私….
ピロッ!
スマホに着信があった
誰からのなのか見てみると、着信は彼方さんからだった
内容を見てみると、彼方さんが心配してマンションまで来てくれていることが分かった
正直に言うと…今は誰にも会いたくないけど….
彼方さんにはちゃんと謝りたかったから….
ーーー
ーー
ー
彼方「璃奈ちゃんありがとう、会ってくれて」
璃奈「うん….私も彼方さんに謝りたかったから…」
彼方「璃奈ちゃん….」
璃奈「彼方さん、ごめんなさい….せっかく彼方さんに手伝ってもらったのに….ケーキを台無しにしてしまって….」
彼方「ううん。大丈夫だよ」
璃奈「パーティーの時も、話しかけてくれたのに逃げちゃって….しかも休んで心配までかけて….」
璃奈「本当ならもっと早く直接謝るべきだったのに…失礼なことをしちゃって….ごめんなさい…」
彼方「璃奈ちゃん、大丈夫だよ。そんなに自分を責めないで」ギュゥ
璃奈「彼方さん…」
彼方「璃奈ちゃんがいつも誰かのことを思っているのは分かってる」
彼方「誕生日パーティーにも、歩夢ちゃんの為に頑張って来たよね」
璃奈「うん….」
彼方「璃奈ちゃんは偉いよ。誰かの為に優しくできるのはとっても素敵だよ」
彼方「けど、自分のことも優しくしてあげなきゃ、璃奈ちゃん自身が可哀想だよ」
璃奈「ううっ….ううっ….」
彼方「頑張って偉いよ、けど今は無理しないでいいんだよ」
璃奈「ううっ…うああああっ….」ポロポロ
彼方さんの優しい言葉に私は涙が止まらなくなった
溜まっていた感情が全て溢れ出ていった
まるで肩の荷が降りたように気持ちが楽になった
ーーー
ーー
ー
璃奈「さっき歩夢さんと会ったの」
彼方「そうなんだ…」
璃奈「歩夢さんも心配してくれてたのに….」
璃奈「私は歩夢さんに嫌いって言って…..傷つけてしまった」
璃奈「だから、歩夢さんに謝らないといけない」
璃奈「明日は学校に行く、そして歩夢さんに謝る」
璃奈「それに、これ以上みんなにも心配を掛けたくないし」
彼方「うん、いいと思うよ。璃奈ちゃんの気持ちをしっかり歩夢ちゃんに伝えてね」
璃奈「ありがとう彼方さん」
彼方「あとね璃奈ちゃん、いいことを思いついたんだけど」
璃奈「いいことって?」
彼方「ふふふっそれはね….」
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
翌日、私は学校に行った
心配してくれた友達や同好会のみんなは私が来てとっても喜んでくれた
休んでいる時もみんなは連絡をくれたりしてくれた
だから、私は一人一人に”ありがとう”ってみんなにお礼をしていった
そして….最後に歩夢さんに言うことになった…
璃奈「歩夢さん….」
歩夢「璃奈ちゃん…..」
璃奈「…..」
璃奈「ちょっとこっちに来て,…..」グイッ
歩夢「うん…..」
私は二人きりで話したくて、歩夢さんを連れて外に出た
歩夢さんもそれに応じてくれた
璃奈「ここなら….いいかも….」
そこは学校でもあまり人が来ない場所だった
璃奈「歩夢さん….話したいことがある…」
歩夢「うん….」
璃奈「まず、心配してくれてありがとう」
璃奈「休んでいる時も連絡してくれて…しかもわざわざ私に会いに来てくれてありがとう」
歩夢「うん…璃奈ちゃんがまた学校に来れて良かったよ」
私があんなことを言ったのに….歩夢さんは…..
どうしてそんなに優しいの….?
璃奈「…..」
璃奈「そして、嫌いって言ったことごめんなさい」
璃奈「その言葉で歩夢さんを傷つけてしまった….最低な事をしてしまった」
璃奈「ごめんなさい….歩夢さん」
歩夢「ううん….璃奈ちゃんは悪くないよ」
歩夢「私は璃奈ちゃんの気持ちも知らずに、悪い事を言っちゃったんだもん…」
歩夢「嫌いって言われてもしょうがないよ….」
璃奈「っ…..!!」
璃奈「違う….違うの!!」ギュッ
歩夢「璃奈ちゃんっ….」
璃奈「あの時…嫌いって言ったのは….歩夢さんには侑さんがいるから….私なんかと一緒にいるのはダメだと思ったから…
璃奈「私が嫌いって言えば….歩夢さんはきっと侑さんと一緒になって幸せになれると思ったの」
璃奈「けど….言った直後に歩夢さんを見て思った….」
璃奈「優しくしてくれる歩夢さんに対して….自分の都合であんな酷いこと言ってしまったって…..」
璃奈「その事の重大さに気づいた時にはもう遅くて….思わず逃げ出した….」
璃奈「ごめんなさい…だから歩夢さんのことは嫌いじゃないの」
璃奈「嫌いじゃなくて….」
璃奈「私は….」
璃奈「私は歩夢さんがすき」
歩夢「えっ…..?」
璃奈「歩夢さんの優しく寄り添ってくれるところがすき」
璃奈「喜怒哀楽がはっきりしてて表情が変わるところがすき」
璃奈「歩夢さんが美味しそうに笑顔で食べてるところがすき」
璃奈「一緒にいると楽しいし、心が落ち着くし、とっても幸せになる」
璃奈「もっと歩夢さんと話したいし、もっと歩夢さんと遊びたい」
璃奈「もっと歩夢さんと繋がりたいし、もっと歩夢さんのことを知りたい」
璃奈「歩夢さんは私にとって姉のような存在なの…」
璃奈「歩夢さんと一緒にいたい….ずっと一緒にいたい」ギュゥ
璃奈「こんなにも….私は歩夢さんがすき….」
私は歩夢さんへの思いを流れるように吐き出した
歩夢さんのことがどれだけすきなのか、自分の思っていることを全て言った
けど…歩夢さんがどのように受け取ってくれるかは分からなかった
怖い……どうなるんだろう…..
歩夢「……」
歩夢「璃奈ちゃん…..ありがとう….!」ギュゥ
歩夢「璃奈ちゃんの思いすごく伝わった」
歩夢「璃奈ちゃんと同じ気持ちだよ」
璃奈「えっ…..!」
歩夢「私も璃奈ちゃんが好き」
歩夢「璃奈ちゃんと一緒にいたい」
歩夢「璃奈ちゃんと一緒にいる時間が幸せ」
歩夢「いつも璃奈ちゃんをこうやって抱きしめたくなっちゃう」
歩夢「璃奈ちゃんのプレゼントのこと…彼方さんから聞いたよ…」
璃奈「っ….!!」
歩夢「ありがとう….璃奈ちゃん….」
歩夢「パーティーを台無しにしたくないからって….ううっ….ありがとう璃奈ちゃん….」
歩夢「私は…璃奈ちゃんの優しいところがすきだよ」
璃奈「歩夢さんっ….」
歩夢「うっ…..うっ….」
歩夢「ごめんなさい….璃奈ちゃんの優しい行動やその時の気持ちを考えずに….無責任な言葉を言って…..」
歩夢「ごめんなさい…..」
璃奈「泣かないで歩夢さん」
璃奈「私も…歩夢さんを傷つけたんだよ…..私も悪いの….」
璃奈「だから….」
璃奈「歩夢さん….仲直りしてくれない….?」
璃奈「私、歩夢さんともっといろんなことをしたいの!」
璃奈「もっともっと歩夢さんと一緒にいたい!」
璃奈「ダメかな….?」
歩夢「うっ…..ううっ….」
歩夢「うっ….」フキフキ
歩夢「うん!いいよ!」
璃奈「歩夢さん….ありがとう!」ギュゥ
歩夢「ずるいよ….///私も悪いのに…..///」
璃奈「えへ///」
歩夢「じゃあ、私からも言うね」
歩夢「璃奈ちゃん、私と一緒にいてほしい」
璃奈「えっ…///」
歩夢「璃奈ちゃんの優しいところが好き」
歩夢「璃奈ちゃんの妹のように可愛いところが好き」
歩夢「璃奈ちゃんと一緒にいると心があたたかくなるの」
歩夢「璃奈ちゃんと一緒に過ごす時間が私にとってかけがえのない宝物だよ」
歩夢「だから璃奈ちゃん、好きだよ。ずっと一緒にいて欲しい」
璃奈「歩夢さん…..!」
璃奈「うん!喜んで!私と歩夢さんはずーっと一緒だよ」
歩夢「璃奈ちゃん….///」
歩夢「うん!もうずっと一緒だよ!」
こうして、私と歩夢さんは仲直りすることができた
それどころか、歩夢さんとの絆をとっても深めることができた
歩夢さん….やっぱり優しい…すき…..///
今は歩夢さんと一緒にいる時間が沢山増えてとっても幸せ!
ゲームをしたり、遊びに行ったり、さらにお泊まり会もした
今度は一緒に旅行に行きたいと思ってる
こうやって歩夢さんとつながることができてすごく嬉しかった
そして….ある日…..
璃奈のマンションの部屋前
歩夢(今日も璃奈ちゃんの家でお泊まり~)
歩夢(楽しみだな~)
ピンポ~ン
璃奈「歩夢さん!今開けるね!」
ガチャ
歩夢「璃奈ちゃん今日もよろし….」
パンッ!! パンッ!!
歩夢「うわぁっ!!」
璃奈「歩夢さん、遅くなってごめんね」
璃奈「いつもありがとう!!誕生日、おめでとう!!」
歩夢「えぇ!?」
璃奈「びっくりした?」
歩夢「うん…びっくりした…」
璃奈「サプライズで歩夢さんを驚かせたかった」
歩夢「もぅ、転びそうになっちゃったよ」
璃奈「えへへ、ごめん」
歩夢「でも、ありがとう。祝ってくれて嬉しいよ」
璃奈「いや、まだ終わりじゃない」
歩夢「え?」
璃奈「歩夢さんに贈りたいものがあるの」
璃奈「ほら来て」グイ
歩夢「わっ!璃奈ちゃん!?」
ーーー
ーー
ー
璃奈「改めて歩夢さん、誕生日おめでとう!!」
璃奈「これは私からのプレゼント!」
~回想~
彼方「もう一度、歩夢ちゃんにプレゼントを作らない?」
璃奈「もう一度?」
彼方「誕生日は過ぎちゃったけど、それでもあれだけ頑張ったんだもん」
彼方「歩夢ちゃんに感謝や思いをプレゼントを贈ることで
>>260
コピペ失敗したのでスルーで
~回想~
彼方「もう一度、歩夢ちゃんにプレゼントを作らない?」
璃奈「もう一度?」
彼方「誕生日は過ぎちゃったけど、それでもあれだけ頑張ったんだもん」
彼方「歩夢ちゃんに感謝や思いをプレゼントを贈ることで伝えるのもいいんじゃない?」
璃奈「いいの…?もう一度プレゼントを贈っても…?」
彼方「大丈夫、きっと歩夢ちゃんも喜んでくれるよ」
彼方「 もちろん私も手伝うし一緒に頑張らない?」
璃奈「うん!!やる!!」
私はもう一度、歩夢さんへのプレゼントを作った
彼方さんにも手伝ってもらいもう一度、ケーキを作った
ハーバリウムも花束も、あのお花屋さんでもう一度買って作り直した
前回の反省を活かし、私の家で歩夢さんにプレゼントを贈ることにした
そして…今日を迎えた…
歩夢「わぁ///ありがとう///」
璃奈「歩夢さんのために一生懸命作ったの」
璃奈「これがハーバリウム」
歩夢「綺麗…///」
璃奈「私が選んだ花を入れたの」
歩夢「可愛い….///…..あっ」
歩夢「もしかして、花言葉に何か思いが込められてる?」
璃奈「えっ….///それは….///」
歩夢「ねぇ教えて璃奈ちゃん」
璃奈「…..///」
璃奈「そのハーバリウムには二種類の花を入れたの」
璃奈「一つは、プリムラ・オブコニカ。花言葉は”青春の美しさ”」
璃奈「歩夢さんと一緒に過ごす時間に対しての私の思い….///」
璃奈「そしてもう一つは、ペチュニア。花言葉は”あなたと一緒なら心が和らぐ”…///」
璃奈「私がいつも思ってる歩夢さんへの気持ちを込めた….///」
歩夢「ありがとう」
璃奈「えへ///喜んでくれて嬉しい!」
歩夢「ハーバリウム、大切にするよ」
璃奈「気に入ってくれてよかった///」
璃奈「そして、花束もどうぞ」
歩夢「わぁっ///ガーベラの花束…///」
璃奈「知ってるの?」
歩夢「うん、知ってるよ。もちろん花言葉もね」
歩夢「黄色のガーベラの花言葉は、”愛”だよね…///」
璃奈「うん….///私の気持ち….///」
璃奈「あと、本数にも意味があるの….///」
歩夢「本数?」
璃奈「うん。ガーベラは本数によって意味が変わる」
璃奈「この花束のガーベラは9本」
璃奈「その意味は….”いつまでも一緒にいてほしい”…///」
歩夢「璃奈ちゃん…///」ギュゥ
璃奈「歩夢さん…///」ギュゥ
歩夢「素敵なプレゼントをありがとう、璃奈ちゃん…!」ギュッ
歩夢「最高のプレゼントだよ….///」
璃奈「歩夢さんが喜んでくれて…私嬉しい…///」
璃奈「実はまだプレゼントがあるんだ」
歩夢「え?そうなの?」
璃奈「うん、彼方さんに手伝ってもらってケーキを作ったの」
歩夢「わぁ!!美味しそうなショートケーキ!!」
歩夢「切って食べてもいい?」
璃奈「もちろん、歩夢さんのために作ったんだもん」
歩夢「ありがとう璃奈ちゃん」
歩夢「いただきます」
歩夢「….」パクッ
璃奈「どうかな…おいしい….?」
歩夢「ん~とってもおいしいよ~♡」
璃奈「よかった….///」
璃奈(歩夢さんの笑顔…すき…///)
歩夢「ねぇ、璃奈ちゃんも一緒に食べようよ」
璃奈「私も?いいの?」
歩夢「うん。璃奈ちゃんと一緒に食べたらもっとおいしくなるよ」
璃奈「….///」
璃奈「うん!私も食べる!」
歩夢「ふふっ、じゃあもう一度…」
歩夢・璃奈「いただきます」
璃奈「ん~我ながらおいしい♡」
歩夢「うん♡とってもおいしいよ♡あ~何個でも食べれちゃう~♡」
私達は一緒にケーキを食べた
歩夢さんがとっても喜んでくれて嬉しい…///
今、私はとっても幸せ…///
ケーキを食べ終わった後も二人でゲームをしたりしてお泊まり会を楽しんだ
夜ご飯は一緒に作った、歩夢さんの作ってくれた卵焼きがとっても美味しかった!
今度は二人で一緒に料理を作って、彼方さんにお礼のプレゼントしようと決めた
夜ご飯を一緒に食べて、お風呂も一緒に入って、夜遅くまでおしゃべりもした
あっという間に楽しい時間は過ぎていき…もう寝ようとしていると…
歩夢「璃奈ちゃん、今日はありがとう。プレゼントとっても嬉しかったし、お泊まり会も楽しかったよ」
璃奈「私も歩夢さんに喜んでもらえてとっても幸せ」
璃奈「歩夢さんと一緒にいるのすき」
璃奈「またお泊まり会しよ」
歩夢「うん、もちろん」
歩夢「…..」
歩夢「璃奈ちゃん、顔あげてくれない?」
璃奈「ん?こう?」
歩夢「ふふっ」
ちゅっ♡
璃奈「えっ///」
歩夢「ありがとう璃奈ちゃん、すきだよ♡」ギュゥ
璃奈「歩夢さん///」
璃奈「私もすき….///ずっと一緒にいよ///」ギュゥ
歩夢「うん♡ずっと一緒だよ♡」
こうして、プレゼントとお泊まり会は大成功に終わった
これからも歩夢さんと一緒に楽しい日々を送りたい!
色々なことがあって悲しい思いをしたけど…
今はとっても幸せ
そして心の底から言える、1番の思いがある!
私は歩夢さんがすき!!
おしまい
ブラボー…ブラボー!
やっぱあゆりなしうまいのSSはハッピーでないとな
毎日の楽しみでした、乙でした
ハッピーエンドいいぞ~~
すばらしい
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1677678291/
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