【SS】四季「犬になる装置」【ラブライブ!スーパースター!!】

【SS】四季「犬になる装置」【ラブライブ!スーパースター!!】

3:(八つ橋) 2023/08/26(土) 19:56:15.13 ID:B56WPBDY

かのん「はぁ…犬っていいよね、気楽でさ」

四季「どうしたんですか急に…」

かのん「いやさ、この前テスト期間中にすみれちゃんとドッグカフェに行ったんだけどさ」

四季「テスト期間中は練習お休みだから…」

かのん「そう!はやく学校終わるから行ってきたの。ワンコってほんとかわいいよね、しっぽ振りながら駆け寄ってくるんだよ」

かのん「でさ、ワンコ撫でながら思ったんだよ。私たちはワンクール毎にやりたくないテストやらされて、不確定な将来に怯えながら毎日生きてるのにさ」

かのん「ワンコはいいよね、ご飯食べてお散歩に行って可愛がられてるだけでいいんだもん」

四季「ドッグカフェで犬撫でながら出てきた感想がそれなんですか…」

かのん「あーあ、私も1日だけでいいからワンコになれたらなぁ」

四季「…」

ーーーーー
ーーー

四季「というわけで作ってみた。犬になる装置」

メイ「いやなんで作れるんだよ」

 

4:(八つ橋) 2023/08/26(土) 19:56:39.57 ID:B56WPBDY

きな子「これはカプセルっすか?」

夏美「どうやって使うんですの?」

四季「まず、一方のカプセルにわんちゃんを入れる」

四季「もう片方のカプセルに人間が入る」

四季「そしてこのボタンを押したらら、カプセルに入った人間とわんちゃんの中身が入れ替わる」

メイ「犬になるっていうか犬と入れ替わる装置なんだな」

四季「そういうこと」

きな子「で、肝心のかのん先輩はどこっすか?」

メイ「先輩方は今日いないんじゃなかったっけ」

夏美「ですの、普通科の2年生は今日は職業体験で1日中いないですの」

四季「だから今日は2年生は練習お休み。1年生だけで自主練習」

きな子「テストが終わってすぐに職業体験なんて忙しいっすね」

メイ「そうだな。2年生も頑張ってるし、私達も練習頑張ろうぜ!」

夏美「よーし、屋上まで競走ですの!」

きな子「あ、夏美ちゃん!ずるいっすよー!」

ワチャワチャ…

 

5:(八つ橋) 2023/08/26(土) 19:57:16.46 ID:B56WPBDY

数分後

恋「お疲れ様でーす!…って、今日は普通科のみなさんはいらっしゃらないのでした」

恋「1年生は練習中でしょうか。今日は私もお休みをいただいていますが生徒会の用事が思ったより早く片付いてしまったので来てしまいました」

恋「せっかくなので私も軽く練習に参加して…ってこのマシーンはなんでしょうか」

恋「昨日まではありませんでしたよね…犬のマークが描いてありますが…あ!」

恋「きっと四季さんに頼んでおいた『ワンコと意思疎通出来るマシーン』に違いありません!半年近く待っていましたがやっと完成したんですね!」

恋「そうとなれば、さっそくチビを連れてきましょう!これでチビが考えていることを理解できます!」タタタッ

 

6:(八つ橋) 2023/08/26(土) 20:00:46.90 ID:B56WPBDY

そしてまたまた数時間後

かのん「ふー!楽しかったねー!」

可可「職業体験って言っても、いつもお邪魔しているかのんの家だったノデすごく楽しかったデス!」

かのん「なんか職業感薄かったよねーw」

千砂都「すみれちゃん家での巫女さん体験もすごく楽しかったよ!御守りも頂いちゃった!」

かのん「わあ!可愛い御守り!」

すみれ「ふふ、またいつでもいらっしゃい♪」

千砂都「さて、職業体験のレポート提出しに学校に帰ってきたわけだし、せっかくだから1年生が真面目に自主練してるか確認しに行きますか」

可可「千砂都は相変わらずスパルタデス…」

千砂都「軽く見に行くだけだよ~」

かのん「じゃあ私も一緒に行こーっと」

 

7:(八つ橋) 2023/08/26(土) 20:01:19.70 ID:B56WPBDY

すみれ「まったく、もう2人とも部室に消えていっちゃった。ほんと元気ねあの子たちは…。さて、私たちは帰りましょうか可可」

可可「はいデス!そういえばすみれ、昨日オダイバのスクールアイドルが新しい動画をアップしたノデ、一緒に可可の家で見マセンカ?」

すみれ「お、いいわね!スクールアイドルたるもの情報収集は欠かせないものね!」

可可「その通りデス!さすがすみれ、よく分かっているのデス!」

すみれ「当たり前でしょ?これでも昔からショウビジネス界で…」

可可「グソクムシ」

すみれ「あんたねぇーー!!」

可可「そんなことより、はやくしないと日が暮れちゃいマスよ…ってあれ?」

すみれ「なによ」

可可「いえ、今レンレンが走って行くのが見えた気がシテ…」

すみれ「生徒会活動じゃない?あの子頑張り屋さんだから無理してぶっ倒れないといいけどね」

可可「練習がおやすみの日は生徒会デスか…大変デスネ…。せっかくだからレンレンにもひとこと挨拶してから帰りまショ…」

ギャーーーーーーーーーーー!!!!!

くぅすみ「!?」

可可「今の声は!かのん!?」

すみれ「部室からよ!行ってみましょう!!」

可可「はいデス!!」

 

8:(八つ橋) 2023/08/26(土) 20:09:21.17 ID:B56WPBDY

可可「かのん!!」ドアバーン!!

すみれ「大丈夫!?いったいどうしたの!!」

くぅすみ「!?!?」

かのん「ひぃぃい!!助けて!なんで学校にチビがいるの!!」

チビ「ワン!ワン!ワン!」

千砂都「ほーら、チビ~おいで~」

チビ「ワン!ワン!!」

可可「わああ!チビデス!!ついにチビもLiella!に加入!?」

すみれ「なわけないでしょ!」

すみれ「それにしてもほんとになんで?なんでチビがここにいるのよ?」

メイ「かのん先輩!!大丈夫か!?」ドゴッ

すみれ「ギャッ」

きな子「なにやら悲鳴が屋上まで聞こえてきたっすけど…」

夏美「あれ?その子は確か…」

四季「…チビ」

四季「…!?まさか」

すみれ「あんたたちねぇ…」

 

9:(八つ橋) 2023/08/26(土) 20:10:05.96 ID:B56WPBDY

すみれ「先輩を吹っ飛ばして入室なんて、なかなか度胸あるじゃない…」

メイ「うわわわわ、ごめんすみれ先輩!!」

きな子「かのん先輩が心配でつい!」

すみれ「まあ、慣れっこだからいいんだけども…」

四季「そんな茶番やってる場合じゃないかもしれない」

すみれ「茶番ってあんたねぇ…」

夏美「どういうことですの四季?」

四季「私が作った『犬になる装置』、そしてなぜかここにいるチビ」

四季「考えられる最悪の結果は…」

きな子「えぇぇぇえ!!恋先輩!?」

7人「!?」

 

10:(八つ橋) 2023/08/26(土) 20:11:37.10 ID:B56WPBDY

メイ「そ、そうだ!まずは飼い主の恋先輩を探さなきゃだよな!ったく、チビを置いていったいどこに…」

きな子「違うっす、違うっすよ~!チビが、チビが~!」

かのん「そういえばきな子ちゃんは動物とお話できるんだよね!チビがなにか言ってるの?」

チビ「ワン!ワン!」

四季「いや、直接聞いた方がはやい。みんな、これを耳につけて」

可可「これは?イヤモニ?」

四季「犬の気持ちがわかる装置。恋先輩に頼まれて作ってたけど、半年間その存在を忘れてた」

メイ「ずっと一緒にいると麻痺してくるけど、お前なにもんなんだよまじで」

きな子「とにかくみんなはやくつけるっす!!このままじゃ大変なことになるっすよ!」

すみれ「どういうことなのよいったい…」スチャッ

チビ『皆さん!!私です!葉月恋ですー!!』

6人「!?!?!?!?」

四季「…orz」

 

12:(八つ橋) 2023/08/26(土) 20:22:01.26 ID:B56WPBDY

かのん「れれれれれ恋ちゃん!?え、どういうこと!?」

可可「かかかかかのん落ち着くデス!チビの中身がレンレン?そんなことあるハズガ…そうだ!きっとこれはチビが可可たちをからかって…」

すみれ「あんたこそ落ち着きなさい。犬がそんなことするわけないでしょ」

メイ「チビの中身が恋先輩って…おい!もしかして!!」

四季「…おそらく、そういうこと」

夏美「ナッツー!?まさかよりにもよって恋先輩が使うなんて…」

夏美「これは動画化したら大バズり間違いないですの!衝撃!犬と化したスクールアイドル!そうとなったらさっそくカメラを回して…」

きな子「夏美ちゃん!それはさすがにまずいっすよ~!」

千砂都「1年生、何か知ってるよね。話してもらえる?」

チビ『あの、わたくしは…』

千砂都「まだ本当に恋ちゃんかどうかもわからないから少し待ってて」

チビ『…わかりました』

四季「私から話す」

 

13:(八つ橋) 2023/08/26(土) 20:22:39.07 ID:B56WPBDY

ーーーーーーー

すみれ「へぇ…にわかには信じがたいけど、犬になる装置ねぇ」

四季「きっとこれを見つけた恋先輩が、私がさっき言ってたこの『犬の気持ちがわかる装置』だと勘違いして」

千砂都「チビと自分に使ったってわけか…」

チビ『はい、申し訳ありません…』

すみれ「というかこのチビは本当に恋なわけ?……禁断の」

チビ『セカイ』

かのん「今ので確定したね。このチビの中身は間違いなく恋ちゃんだよ。もう、だめだよ恋ちゃん。勝手によくわからない装置に手を出したりしたら」

チビ『気をつけます…』

四季「…本当はこのマシーンを使うには下準備があって、人間側には強力な睡眠薬を投与しなくちゃならない。今みたいに人間の肉体がこの場を離れてしまったら戻れなくなるから」

メイ「ということは、恋先輩の身体がここにないってのはかなりまずい状況なんじゃねえのか!?」

夏美「信号無視して道路に飛び出して事故にでもあったりしたら…」

きな子「犯罪に巻き込まれる可能性もあるっす!都会は怖いっすから…」

チビ『チビが危険です!!一刻も早く私を見つけてください!』

千砂都「そうだね、部室に関係ない装置を持ち込んだ四季ちゃんとかのんちゃんへの罰は後で考えるとして、とにかく今は恋ちゃんを探そう!」

かのん「ちょっと待って!今回私何もしてなくない!?この装置を作ってって四季ちゃんに頼んだ訳でもないんだよ!?」

千砂都「かのんちゃん、テスト期間中にドッグカフェ行ってたくせに赤点3つもとってきたよね」

かのん「」

 

14:(八つ橋) 2023/08/26(土) 20:34:24.24 ID:B56WPBDY

可可「そういえばさっき可可とすみれはレンレンが走っていく姿を見かけたのデス!」

すみれ「そう!ちょうどこの近くよ!まだあれから10分も立ってないからこの学校の敷地内にいるんじゃないかしら」

メイ「よし、なら早速探しにいこう!」

四季「念の為、きな子ちゃん、千砂都先輩、夏美ちゃんは結女の敷地外を探してほしい」

きな子「どうしてっすか?」

四季「この装置は対象の動物1匹、今はチビの気持ちしかわからない」

四季「でもきな子ちゃんはたくさんの動物と話せる。もし恋先輩が敷地外に出ていたら大変だから、他の動物たちからも情報収集してほしい」

きな子「なるほど、わかったっす!」

千砂都「私たちは?」

四季「夏美ちゃんはなんとなくこの周りに詳しそうだから。千砂都先輩は単純に体力があるから。例え恋先輩が逃げても捕まえられると思って」

夏美「なんとなくって…」

千砂都「わかった。じゃあ私たちは学校の外を探すね!行くよ、きな子ちゃん!夏美ちゃん!」

きな子「はいっす!」

夏美「せっかくだから動画に収めますの!オニナッツー!日々のあれこれエトセトラー」

千砂都「夏美ちゃんもかのんちゃんと一緒におしおきかな」

夏美「ひいぃ!それだけは勘弁ですのー!」

チビ『お手柔らかにお願いしますねー!』

 

15:(八つ橋) 2023/08/26(土) 20:40:01.24 ID:B56WPBDY

メイ「よし!私達も探すぞ!」

四季「敷地内と言っても、恋先輩が校舎内にいるのか外にいるのかわからない」

チビ(恋先輩はここにいるのですが…)

四季「だからこちらもふたてに分かれようと思う。可可先輩、すみれ先輩、メイは外を探して欲しい」

すみれ「わかったわ!行くわよ2人とも!」

可可「よーし!絶対レンレン見つけてみせますよ!」

メイ「大好きな恋先輩なら見逃すはずがねえからな!まかせてくれ!じゃあ四季、校舎内は任せたぜ!」

四季「行ってらっしゃい」

かのん「頼りになるねー、みんな」

チビ『もう、元はと言えばかのんさんが変なこと言ったのが始まりなんですからね』

かのん「いやだってまさか四季ちゃんがそんな装置まで作れるとは思わないじゃん」

かのん「って、こんなこと言ってる場合じゃないや、恋ちゃん探そう!」

チビ『恋は私ですが』

かのん「…じゃあチビ探しに行くよ」

チビ『今は私がチビなのですが』

かのん「もう!恋ちゃん!危機感あるの!?」

チビ『あはは、申し訳ありません…』

 

16:(八つ橋) 2023/08/26(土) 20:40:19.42 ID:B56WPBDY

四季「とりあえず、この階から順に探していくしかない」

四季「行こう、2人とも」

かのん「うん!」

チビ『ワン!』

かのん「…恋ちゃん絶対この状況楽しんでるよね」

 

17:(八つ橋) 2023/08/26(土) 20:40:46.69 ID:B56WPBDY

すみれチーム

すみれ「とは言ったものの、いったいどこをどう探せばいいのよ」

メイ「まずはやっぱり情報収集じゃないか?恋先輩を見たって人がいるかもしれないしな」

すみれ「そうね、それじゃ聞き込みからはじめましょう」

すみれ「…というか可可はさっきからいったい何をしてるわけ?」

可可「いえ、やはり犬を探すには犬の気持ちになるのが1番だと思いまシテ!」

すみれ「だからって…そんな犬のコスチュームどっから持ってきたのよ」

可可「今の可可は唐可可ではありません…犬となった可可!その名も、ワンクゥクゥです!わん!」

メイ「うおおおお!可可先輩、最高に可愛いぜ!!」

すみれ「やってる場合か!!!」

 

18:(光) 2023/08/26(土) 20:41:00.23 ID:BhlUTfhm

すみれ「まったくあんた達は…。今は少しの時間も無駄にできないのわかってるでしょ?真面目にやりなさいよ」

メイ「うぅ…すまねえ、すみれ先輩」

可可「可可は最初から大真面目デス。その証拠にチビの行きそうなところが今にも浮かんで……」

可可「は!!」

すみれ「どうしたのよ可可!?」

メイ「まさか、チビの行き先が思い浮かんできたのか!?」

可可「はいデス。このワンクゥクゥ、犬になってはや5分。完璧な答えにたどり着いてしまったのデス」

可可「可可の完璧な推理によると、チビの向かう場所は…」

すみれ「向かう場所は…?」

可可「向かう場所は~…」

メイ「向かう場所は~…?」ゴクリ

 

19:(光) 2023/08/26(土) 20:41:24.62 ID:BhlUTfhm

可可「電柱デス!チビは催して電柱の根元でおしっこをしているはずデス!」

すみれ「なんですって!?」

メイ「おいおい、恋先輩が電柱におしっこをかけてるところなんて見られてみろよ…」

メイ「そんな生徒は間違いなく生徒会を追放、スクールアイドルなんてもってのほかだ!きっとラブライブ!の出場権も剥奪されるに違いねぇ…」

すみれ「つまりこれは…」

可可「そうデス…」

3人「結ヶ丘の…そしてLiella!の危機!?」

すみれ「まずいわよ!そんなことになったら可可あんた!」

可可「可可のことは今はどうでもいいのデス!とにかく今はワンコがおしっこをしたくなるような電柱を探すのデス!」

メイ「わかった、電柱だな!よし、それじゃ私も犬の気持ちになって…」

すみれ「わ、私も…」

3人「…」

3人「わん!わんわんわーーーん!!!」

 

20:(光) 2023/08/26(土) 20:41:35.96 ID:BhlUTfhm

千砂都チーム

きな子「そうっすか、情報提供ありがとうっす」

野良猫「にゃーん」

きな子「ふう…だめっす、色んな動物さんに聞いてみたっすけど、恋先輩を見た子はまったくいないっす…」

千砂都「随分探したんだけどね…ということはやっぱりまだ学校の中にいるってことなのかな」

夏美「なっつぅ…こんなに頑張ったのになんの収穫もなし、きな子と違って夏美はなんの役にもたてませんでしたの」

千砂都「そんなことないよ」

 

21:(光) 2023/08/26(土) 20:41:58.18 ID:BhlUTfhm

千砂都「わんちゃんが行きそうなところ、提案してくれたのは夏美ちゃんだもん」

きな子「きな子、この辺りにドッグランがあるなんて知らなかったっす!やっぱり夏美ちゃんは物知りっす!」

夏美「そ、そうですの…?まあ、褒められるのは悪くないですの」

千砂都「素直じゃないんだから」

夏美「うるさいですの…あ、2人ともちょっと待ってて欲しいんですの」

2人「?」

 

22:(光) 2023/08/26(土) 20:42:31.83 ID:BhlUTfhm

夏美「もしもし冬毬?夏美だけど…。恋先輩を見かけたら教えてもらいたくて…。そう、ポニーテールの、この前見せた…」

きな子「どこかに電話かけ始めたっすね」

千砂都「さすがインフルエンサーは違うね、きっとこの原宿に仲間がたくさんいるんだよ」

夏美「まあ、そんなところですの」ピッ

夏美「と、外部にも応援を要請したのである程度遠くに行っててもきっと大丈夫なはずですの」

きな子「さっすがCEOっす!頼りになるっす~!」

夏美「久しぶりに聞きましたのそれ」

 

23:(光) 2023/08/26(土) 20:42:43.96 ID:BhlUTfhm

夏美「というか、ずっと走りっぱなしで疲れたんですの」

きな子「きな子ももうへとへとっす~、少し休憩するっす」

千砂都「えー?このくらいで疲れちゃうなんて、1年生もまだまだ伸び代があって楽しみだねぇ」

夏美「これでも体力ついてきた方ですの!千砂都先輩たちが異常なんですのー」

夏美「もう、体力おばけの先輩を持つと苦労するですの」

千砂都「夏美ちゃんも来年には体力おばけになれるようにもっと練習量増やそっか」

夏美「勘弁してくださいですの…さてと、」

『オニナッツー!日々のあれこれエトセトラー』

きな子「なに見てるっすか?」

 

24:(光) 2023/08/26(土) 20:42:57.47 ID:BhlUTfhm

夏美「さっき撮影した動画ですの。少しの時間も、反省と分析に充てるのが一流のエルチューバーですの!」

きな子「さすが夏美ちゃん!プロっすねぇ~」

千砂都「もう、すぐ再開するよ」

『夏美ちゃんもかのんちゃんと一緒におしおきかな』

夏美「千砂都先輩は動画の中でも外でも夏美に厳しいですの」

夏美「…ってあれ?」

きな子「どうしたんすか?」

夏美「い、今のところもう一度巻き戻して見てみるですの!ほら、千砂都先輩も!」

千砂都「なになに…?」

3人「こ、これは!!!!」

 

29:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:30:47.94 ID:lu2cA6C1

ーーーーー

メイ「おいあんた!」

一般生徒「ひぃ!?」

メイ「この辺りで、恋先輩が立ちションしてそうな電柱知らねえか!?」

一般生徒「えぇ!?せ、生徒会長が…?」

すみれ「ストーーーーーップ!!なに誤解が生じる聞き方してんのよ!!」

メイ「やべ、焦っててつい!」

すみれ「ごめんなさいね、今のは忘れてちょうだい」

一般生徒「は、はぁ…」

可可「だめデスね…可可たちが犬になったところでそう簡単にレンレンを発見できるはずがなく」

メイ「大人しく聞き込み始めてみたはいいものの恋先輩の目撃情報はゼロ」

すみれ「まったく、いったいどこに行っちゃったのかしら…」

ピロリロリン

すみれ「誰か着信来てるわよ」

メイ「私だ。…夏美からだ!」

メイ「もしもし夏美!?恋先輩見つかったのか!?」

すみれ「ちょっと、私にも聞かせなさいよ」ギュウ…

可可「可可にも聞かせるデス…」ギュウ…

 

30:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:31:30.33 ID:lu2cA6C1

メイ「いや、四季とは今別行動だけど…っておい!それ本当なのかよ!」

すみれ「何話してるのかよく聞こえないわ…」ギュウ…

可可「メイメイ、スピーカーをオンにするデス…」ギュウ…

メイ「わかった、すぐに四季に連絡する…っておい!先輩方くっつくな!暑いんだよ!!!」

 

31:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:31:44.58 ID:lu2cA6C1

かのんチーム

かのん「結局1階まで来たけど全然いないね、恋ちゃん」

チビ『チビの行きそうなところもひと通り探しましたし、あと探していないところとなると…』

四季「理事長室」

かのん「えー、行くの?理事長室常連だけどいつ入っても緊張するんだよね」

チビ『常連って…』

四季「行くしかない。理事長室に入るのは緊張するけど、恋先輩がいるかもしれない」

かのん「だよねー、でも待って!入る前にちょっと深呼吸させて!すーーーはーーーーすーーーーはーーーーすーーーー」

チビ『長いです』

かのん「ごめんごめん、それじゃ行くよ」コンコン

2人 1匹「失礼しまーす」ガチャ…

 

32:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:31:58.80 ID:lu2cA6C1

理事長「あらいらっしゃい、どうしたの?」

かのん「いやぁちょっと探しもの…というか探し人?」

理事長「はい?」

チビ『ワン!』

理事長「あらチビ。あなたも一緒だったのね。ところで、なぜチビがあなた達と一緒に?」

かのん「え、えと…それは…」

チビ『うまく誤魔化してください!』

かのん(そ、そんなこと言われても言い訳なんて考えてないよ…)

四季「恋先輩がチビの散歩をしていたんですけど、学校に忘れ物をしてしまったみたいで」

四季「忘れ物を取りに行っている間だけ私たちが面倒を見ることになったんです」

かのん(おおー!四季ちゃんグッジョブ!)

チビ『ナイスです!』

四季「ふふんっ」ドヤッ

 

33:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:32:54.13 ID:lu2cA6C1

理事長「なるほど、そういうこと。それにしても今日はLiella!のお客さんが多いわね」

2人「え?」

四季「他にも誰か来たんですか?」

理事長「ええ、ちょうどそこのチビの飼い主さんがついさっきね」

2人 1匹「!!!」

四季「恋先輩が!?」

かのん「理事長、それどのくらいですか?」

理事長「ほんとについさっきよ。20分くらい前かしら。いきなり理事長室に来て、私の周りを2、3周したと思ったらそのまま何も言わずに出ていっちゃったわ」

かのん「なにしてんの恋ちゃん…」

チビ『それは私じゃなくてチビです!このままじゃ私変な人みたいになっちゃうじゃないですか!』

チビ『お願いです!ここもうまく誤魔化してください!』

かのん「だって、四季ちゃん」コソッ

四季「まかせて」コソッ

 

34:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:33:18.08 ID:lu2cA6C1

理事長「いったいどうしたのかしらね、あの子」

四季「理事長、それはきっとマーキングです」

理事長 かのん チビ「は?」

四季「理事長は、恋先輩のお母さんが遺したこの学校を守る大切な人」

四季「恋先輩が理事長に持ってる熱い気持ち…きっとそれが溢れてしまったに違いない」

チビ『ちょっと、四季さん!?』

四季「誰にも渡したくないほどに…そう、まるで…」

四季「私がメイに抱いているような…そんな気持ち…////」

かのん「そうだよね…恋ちゃんにとって理事長はものすごく大切な人だもんね…なんか私感動しちゃった」グスッ

チビ『ちょっと!なに泣いてるんですか!これでは私が変な人のままではないですか!』

理事長「はぁ、そうですか」

かのん(うわ、理事長すごく複雑そうな顔してる…)

 

35:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:34:03.17 ID:lu2cA6C1

理事長「まあ、あの子も色々あるし、寂しくなることもそりゃもちろんあるわよね」

理事長「私たちもそれを受け入れてあげなくちゃいけないのかもしれないわね」

かのん「ほら、うまくまとまったよ!」

チビ『ちっともうまくありません!理事長の優しさはうれしいですが…』

かのん「もう、恋ちゃんったらさっきから文句ばっかり」

四季「それで理事長、恋先輩はどっちへ?」

理事長「そうね、ここを出て左…上へ続く階段の方へ行ったと思うけど」

四季「ありがとうございます」ヴヴヴ

 

36:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:34:18.01 ID:lu2cA6C1

かのん「四季ちゃん電話?」

四季「うん、メイから。それでは理事長お忙しいところ、失礼しました」ペコリ

理事長「待ちなさい、葉月さんに会ったら伝えておいてくれるかしら」

チビ『?』

理事長「寂しかったら、いつでも来てちょうだいね…って」

チビ『理事長…』

かのん「…はい、必ず!それでは、失礼しました!」ペコリ

チビ『ワン!』タタタ…

シーン…

理事長「…花」

 

37:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:34:42.92 ID:lu2cA6C1

四季「メイ?どうしたの?」

メイ『四季?今どこだ?』

四季「今、理事長室から出てきたところ」

かのん「私にも聞こえるようにスピーカーにしてよ」

四季「OK」ピッ

メイ『理事長室?まあいいや今すぐ部室に戻れ!』

四季「部室?」

メイ『映ってたんだよ!夏美が部室の前でふざけて撮った動画に!』

夏美『ちょっと!別に私はふざけてたわけではないですの!』

メイ『うおぉ、夏美!?なんでここに!』

夏美『そんなの、部室に向かうために急いで戻ってきたからに決まってますの!』

きな子『待ってくださいっす~』

四季「落ち着いて、いったい何が映ってたの?」

 

38:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:35:37.01 ID:lu2cA6C1

メイ『恋先輩だ!動画撮影してる夏美の後ろに、部室に入っていく恋先輩が映つり込んでたんだよ!』

2人 1匹「!?」

かのん「私たちも今、恋ちゃんは上に向かったんじゃないかって理事長に言われたの!」

メイ『そうなのか?なら今すぐ部室へ急げ!私たちも千砂都先輩たちと合流して今向かってる!』

かのん「ちぃちゃん!」

千砂都『敷地外での目撃情報はなし』

メイ『私たちのところも目撃情報はゼロ!きっと恋先輩、いやチビは…』

全員「部室から移動していない!!」

 

39:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:35:55.18 ID:lu2cA6C1

部室

チビ『チビ!』ドアバーン

シーン…

四季「いない…」

かのん「どうして…は!もしかして!」

四季「かのん先輩?」

かのん「こっちかも!」タッ

チビ『ちょ、かのんさん!?』

チビ『!ここは…』

かのん「そう」

かのん「私たちが、恋ちゃんのお母さんの思い出を見つけた場所だよ」

 

40:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:36:09.14 ID:lu2cA6C1

恋「…」

チビ『チビ!』

恋「!」

恋「…」ニコッ

チビ『!!』

きな子「ぜぇ…はぁ…聞こえるっすよ…」

かのん「きな子ちゃん!」

きな子「チビちゃん、恋ちゃんのお母さんに会いにきたんすよ」

チビ『!』

きな子「チビちゃん言ってるっす。『今日はたくさん懐かしい匂いを嗅いだよ。お母さんのお友達の匂い、お母さんのお仕事の匂い。』」

きな子「『そして今、優しいお母さんの匂いに包まれてる。とっても幸せな気持ちだよ』って、言ってるっす」

チビ『チビ…』

四季「…」

 

41:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:36:26.74 ID:lu2cA6C1

夏美「ふー、やっと追いつきましたの…それで、恋先輩はいたんですの?」

すみれ「ばか、あんた!ちょっとは空気読みなさいよ!」

可可「可可、もう疲れて…1歩も歩けないデス…」

千砂都「あはは、お疲れ様、可可ちゃん」

メイ「ふう、一時はどうなるかと思ったけど…何とかまるく収まりそうだな…な、千砂都先輩!」

千砂都「うん!まる!」

 

42:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:36:39.42 ID:lu2cA6C1

チビ『もう、チビ…心配したんですよ』

恋「…」ニコッ

チビ『まったく、そんな笑顔を見せてもだめです…ふふっ』

チビ『いえ、今回迷惑をかけたのは私の方でしたね。私の勝手で随分とチビを困惑させてしまったでしょう』

恋「…!」ブンブン

チビ『ふふ、チビは優しいのですね。それでは、心残りはありませんか?』

恋「…///」モジモジ

チビ『…?』

恋「…」ギュッ

チビ『!?』

 

43:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:36:56.71 ID:lu2cA6C1

かのん「わぁ…!」

きな子「チビちゃん言ってるっす、『いつもこうやって抱きしめてくれてありがとう。大好きだよ、恋ちゃん』って」ズビッ

きな子「チビちゃんはずっと、恋先輩のことをこうして抱きしめてあげたかったんすよ…恋先輩が悲しみに暮れている時も、お母さんが遺した学校を守ろうと必死に悩んでる時も、ずっとそばでその姿を見ていたわけっすから…」グスッ

メイ「うぅ…なんていい話なんだ…夏美!ちゃんとカメラに収めてるだろうな!」グスッ

夏美「当たり前ですの…こんな感動のシーン、逃すわけありませんの…」グスッ

すみれ「チビってば…あんたこんなにいい子だったのね」グスッ

可可「すみれ、なに泣いてるデスか」グスッ

千砂都「可可ちゃんも泣いてるよ」グスッ

 

44:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:37:23.58 ID:lu2cA6C1

チビ『チビ、ありがとう…』グスッ

恋「…」

恋「…!」

花『……』ニコッ

恋「…」ニコッ

きな子(ああ…きっとそこにいるんすね、恋ちゃんのお母さんが)

きな子(『恋ちゃんは任せて』って、頼もしいチビちゃんの言葉が聞こえてくるっす。でも…)

きな子(それを今きな子が口に出すのは、野暮ってもんすよね)

 

45:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:37:34.01 ID:lu2cA6C1

数日後

かのん「で、その後その装置はどうしたの?」

四季「解体した。また同じことが起こらないようにもしものことを考えて」

かのん「えー、1回くらい私も使いたかったな」

すみれ「あんなことがあったのに使いたがるなんてあんたも懲りないわね」

可可「そもそも今回の件はかのんのひとことがきっかけなんデスからね」

かのん「は、反省してるよ~、不本意だけど」

メイ「でもそのおかげで素晴らしいものが見れた!そういう意味ではファインプレーだったぜ!かのん先輩!」グッ

かのん「えへへ、ありがとねメイちゃん」

すみれ「もう、そうやってかのんのこと甘やかしてると千砂都に怒られるわよ」

かのん「なんで水を差すようなこと言うの!」

四季「メイ、私にも優しくして」

メイ「う、うるせえな!」

 

46:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:37:53.73 ID:lu2cA6C1

かのん「ところでさ、私と四季ちゃんはちぃちゃんからの罰で『ちぃちゃん特製悪魔の体幹トレーニング100』をこなしているわけだけど」

四季「3人はなんで…?」

可可すみれメイ「あー…」

すみれ「いや、なんというか」

メイ「私達のせいで恋先輩の変な噂が広まっちまってさ…誤解なんだけど…」

すみれ「そう、その罰で恋からあんた達と一緒に同じメニューやるように言われてね」

四季「噂?」

可可「『葉月恋は電柱で立ちションをする』っていう噂をメイメイが流したのデス…」

かのん「えぇ…メイちゃん…」

メイ「違え!あれは元はと言えば可可先輩が!」

可可「あー!メイメイ先輩のせいにするデスカ!?」

かのん「何その面白そうな話!詳しく聞かせてよ!www」

ワイワイ

 

47:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:38:15.78 ID:lu2cA6C1

きな子「あっちのみんな、なんか楽しそうっすね」

夏美「私もあっちがいいですの~」

千砂都「だーめっ!2人はこっちで私と練習!」

夏美「ナッツ~!」

きな子「そういえば、恋先輩は?」

千砂都「今日もチビとお出かけだって。今日はお花畑に行くらしいよ」

きな子「わぁ!素敵っす~!」

夏美「いいんですの?大会近いですのに」

千砂都「まあ、リフレッシュするのもだいじだよね。たまには」

夏美「なら私たちも練習お休みがよかったですの!」

千砂都「だーめっ!ほら、練習始めるよ!」

夏美「ナッツ~~…」

 

48:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:38:26.81 ID:lu2cA6C1

ーーーーーーーー

チビ「ワン!」

恋「チビ、待ってください!」

サヤ「お嬢様、最近また笑顔が増えましたよね」

恋「そうでしょうか?」

サヤ「ええ、なにかあったのですか?」

恋「そうですね…」

恋「最近毎日がすごく楽しいんです。確かに結ヶ丘に入って私の毎日は特別なものになりました。素敵な仲間と出会い、見たことの無い景色に触れて」

恋「でも、そんな毎日の中にある、特別じゃない瞬間が。なんてことない日常が。最近はすごく楽しくて、嬉しいのです」

サヤ「お嬢様…」

 

49:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:39:37.98 ID:lu2cA6C1

恋「それもこれも、Liella!のみんな」

恋「私とみんなを出会わせてくれたお母様」

恋「お母様が遺した学校を継いでくださった理事長」

恋「遠くから応援してくださるお父様」

恋「ずっとそばにいてくれるサヤさん」

恋「そして…」

恋「大好きなパートナーのチビ!皆さんのおかげです!みんなみんな、私のかけがえのない宝物です!」

チビ「ワン!」

fin

 

50:(八つ橋) 2023/08/27(日) 00:41:54.30 ID:lu2cA6C1

お付き合いいただき、ありがとうございました。サクッと短いギャグSSを書くつもりがちょっと長くなっちゃいました。ラストは思ったより綺麗に纏まったかなと。
Liella!ちゃんの日常また書きたいな。
スレ立て代行もありがとうございました!

 

51:(茸) 2023/08/27(日) 01:31:56.65 ID:PnFsVqee


すごい良かった。ウルッときしてまった

 

52:(しまむら) 2023/08/27(日) 01:40:38.71 ID:T6RKd5Ta

サンキューチビ

 

53:(茸) 2023/08/27(日) 03:51:12.45 ID:6i7mBXhf

イイハナシダナー

 

54:(らっかせい) 2023/08/27(日) 04:22:36.19 ID:l25fWNxf

いいね

 

55:(茸) 2023/08/27(日) 05:36:51.45 ID:5SJ/tfab

よかったよー

 

56:(もんじゃ) 2023/08/27(日) 09:00:37.80 ID:4srb9xgg

感動的でほっこりした、面白かった

 

57:(茸) 2023/08/27(日) 11:03:13.20 ID:O1j2NOHO

レンレンが幸せそうで俺も嬉しい

 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1693047274/

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