さやか「わたしは……寂しいです」梢「…っ」【SS】
梢「おはよう、さやかさん」
さやか「あ、梢先輩!」タッタッタ
さやか「あの、お体はもう……?」
梢「すっかり元通りよ、これも全てさやかさんがお世話をしてくれたお陰ね」
さやか「いえ、わたしなんて全然ですよ」
梢「謙遜しなくてもいいのに……でもそういうところがさやかさんのいいところなのだけれど」ナデナデ
さやか「えへへ」
梢(こういうところもね)
梢「さて、そろそろ練習を始めましょうか」
さやか「そう……ですね」
さやか「……」
梢「着替えたらストレッチからやりましょう、今日は寒いから念入りに伸ばすのよ」
さやか「はいっ!」
梢「さやかさん、これから時間はある?」
さやか「どうかしました?」
梢「私のお部屋に来て欲しいの」
さやか「梢先輩のお部屋……」
梢「私が寝込んでいた分さやかさんが頑張ってくれたでしょう?労いも兼ねてお茶会をしたいのよ」
さやか「ぜひ……あ、お風呂に入ってからでもいいですか?汗で汚れたままというわけにもいきませんから」
さやか「きゃっ///」
さやか「いきなり何なんですか!ワンちゃんですか!?」
梢「ごめんなさい、でもさやかさんは汗臭くなんてないわよ、むしろ練習後なのに甘い香りで……」
さやか「うぅ~~~///」
さやか「お風呂に!入って!きますからっ!!」
梢「え、ええ……」
ーーー
ーー
ー
さやか「もう……梢先輩のばか」テクテク
さやか「お、お邪魔します」
梢「いらっしゃいませ♪」クルッ
さやか「いらっしゃいませって……お部屋へは同時に入ったじゃないですか」
梢「結局お風呂にも一緒に入ったものね、でも私がお部屋に招いたのだからいらっしゃいませでも間違いはないんじゃないかしら」
さやか「それは……そうですね」
梢「ええ、さやかさんは座って待っててくれる?すぐにお茶の用意をするから」
さやか「わたしも何かお手伝いしましょうか?」
梢「いいえ、ゲストは座って待っているものよ」
さやか「わかりました……でも、何か困ったことがあったらすぐに呼んでくださいね?」
梢「さやかさんは優しいのね、ありがとう」
梢「それでね、花帆ったら大声で叫んじゃって」
さやか「ふふ、花帆さんらしいですね」
梢「そうでしょう?そのあとお顔を真っ赤にして……」
梢「あら、もうこんな時間」
🕰️21:45
さやか「もうすぐ消灯時間になっちゃいますね」
梢「さやかさんとのお話が楽しくってつい時間を忘れてしまったわ、ごめんなさい」
さやか「花帆さんのことばっかりでしたけどね」ボソッ
梢「あら、何か言った?」
さやか「いいえ、気のせいですよ」
梢「消灯時間を過ぎて廊下を歩いていたら寮母さんに怒られてしまうわ」
さやか「……そうですね」
梢「おやすみなさい、」
さやか「……」
さやか「おやすみ……なさい」
梢「ああ、そうそう」
さやか「はい?」
梢「後で連絡を回そうと思っていたのだけれど、明日から朝練だけは元のユニットに戻すつもりだから」
梢「放課後はまたよろしくね」
さやか「……よかったですね、花帆さんとまた一緒で」
梢「ええ、慈たちの一件のあと何度か練習はしたけれどね……うふふ、やっぱり楽しみよ」
さやか「……ばか」
梢「さ、さやかさん?」
さやか「いやあっ!」ガバッ
さやか「…ん」グッ
梢「え?」(鬼のように強い体幹)
さやか「なんで…」グイッグイッ
梢「甘え……たいのかしら?」
さやか「これでもいいですけど……後ろ」
梢「?」
梢「あるわね」チラッ
さやか「今からそこに押し倒すので」
梢「え、どうして?」
さやか「いいから、押し倒されてください」
梢「いくら下がベッドでもふざけると危ないわよ?」
さやか「いいからっ!わたしに押し倒されて!」
梢「は、はいっ」
梢「……よいしょ」コテンッ
さやか「わたしも」ギシッ
さやか「あ」ゴソゴソ
さやか「伝統です」
梢「そ、そうなの?……伝統」
さやか「はい、伝統です」
さやか「次は……」
脚ギュッ……
梢「んっ…///」
梢「えっと、やわ……柔らかくてすべすべね、それにお互いショートパンツだから直接体温が伝わってきてドキドキするわ」
さやか「……///」
梢「照れるなら聞かなければよかったのに」
さやか「もうっ、梢先輩のせいで段取りがめちゃくちゃになったじゃないですか!」
梢「私のせいでは……いえ、この際私のせいということでいいわよ、もうそれで」
さやか「……梢先輩はどう思ってるんですか」
梢「なにを?」
さやか「蓮ノ休日のこと……です」
さやか「そうじゃなくて!」
さやか「梢先輩と離れるのは……わたし…」
さやか「わたしは……寂しいです」
梢「…っ」
さやか「わかってますよね……わたしの気持ち」
梢「さやかさん?」
さやか「わかっていて、わざとはぐらかしている」
さやか「わざとらしく花帆さんの話ばかりしたり、わたしをすぐに部屋に帰そうとしたり」
梢「それは違うの」
梢「馬鹿と言い過ぎじゃないかしら?」
さやか「いえ、ばかです、梢先輩のばか」
さやか「なんで、なんでそうやって……」
梢「さやかさんが私のことを…….えっと、そういう対象として見ていることは知っていたわ」
さやか「だったら!」
梢「でもね、私たちは女の子同士でしょう」
梢「それはいけないことなの……あなたの為にもね」
さやか「なら……」
さやか「なら気づかないフリをしてくださいよ!」
さやか「わたしが察するような下手な誤魔化しじゃなくて、もっと上手くできるでしょ!梢先輩なら!」
梢「さやかさん……」
さやか「わかってますよ、馬鹿なのは村野さやかのほう、とんでもないわがままを言ってるってことくらい」
さやか「でも!でも!でも!」ギュッ
梢「あのね、さやかさん」
さやか「もう聞きたくないです!」
梢「あなたの気持ちに気がついて、私は考えたわ」
梢「でも、わからなかった……自分の気持ちが」
さやか「梢先輩の気持ち?」
梢「あなたに好意を寄せられて……正直嬉しかった、あなたの顔を見るたびに少しだけ浮ついた気持ちになった」
梢「……でもそれはどういう感情なのかわからなかった、恋愛というものは男女間でのものというのが私の中の”普通”だったから」
梢「だから、わからなかったから無意識のうちに下手な誤魔化しをしてしまったのかもしれないわね」
さやか「……え?」
梢「私の気持ちがどういう名前なのかはまだわからないけれど、えっと……お泊まり…」
梢「まずは今夜のお泊まりから始めてみるというのは……ど、どうかしら?」
梢「なにかおかしかったかしら……?」
さやか「いいえ、梢先輩らしいなーと」
梢「私、褒められているの?」
さやか「はいっ!最大限に褒めてます!」
梢「そう……」
さやか「梢先輩がこれ以上言い訳を続けるようなら聞きたくないってまた押し倒そうかと思いましたけどね」
梢「そ、それは助かった……のかしら」
さやか「なので、今はまだお泊まりだけですけど」
さやか「梢先輩がわたしに振り向いてくれるよう、わたしだけの梢先輩でいてくれるように!」
さやか「これから精一杯アピールしていきますからっ」
さやか「覚悟してくださいよね!」
押し倒しのくだりは爆笑しました
引用元:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/11177/1708871212/
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